全国唯一の「八方除」の守護神として知られる相模國一之宮寒川神社では、人生の節目や新たなことを始めるとき、また厄年や家相、地相に悩むときなど、さまざまな場面で御祈祷を執り行っています。
実は私も先日、寒川神社で御祈祷を受けてきました。
ということで今回は、これから御祈祷を受ける方や検討している方に向けて、実際に御祈祷を受けてきた記者の私が、流れやマナーまで徹底解説していきます!なお内容は、寒川神社にご確認いただいております。
【目次】
□御祈祷とは
□御祈祷の初穂料(費用)と授与品
□御祈祷の受け方
□それでは実際に御祈祷を受けてみます
□御祈祷のマナーについて
□寒川神社で御祈祷を
御祈祷とは
御祈祷とは改まって参拝したい時、特別な祈願がある時に行うことで、特に願い事に関する祝詞(のりと)をあげてもらうことを意味します。
まずは御祈祷を受けるにあたって、必要事項を事前に確認しておきましょう。
寒川神社は「八方除」の守護神として全国的に有名ですが、それ以外にも様々な種類の御祈祷を受けることができます。
御祈祷の主な種類と特徴は以下の通りです。
1. 八方除(はっぽうよけ)
- 寒川神社の代名詞とも言える、最も御神徳のある御祈願です。
- 地相・家相・方位・日柄・厄年など、あらゆる方角や状況からくる災厄を全て取り除き、福徳開運(幸福や繁栄)をもたらすとされています。
- 引っ越し、新築、転居、転職、開業など、人生の大きな節目や転機に特に望まれることが多いです。
- 一般的な厄除けが特定の「厄年」に対応するのに対し、八方除は年齢や方位に関わらず、あらゆる災難を根本から取り除くという、より包括的なご利益があるとされています。
2. その他の主な御祈祷(一般的な祈願内容)
八方除以外にも、以下のような個別の願い事に対する御祈祷も受け付けています。願い事は2つ程度にまとめることが理想的。ただし、内容によっては1つしか受けられない場合があります。連名での申し込みはできません。
※以下にないことでも受付してもらえるとのことなので、神職に直接ご相談ください。
家内安全(かないあんぜん) |
身体健全(しんたいけんぜん) |
病気平癒(びょうきへいゆ) |
厄除(やくよけ) |
交通安全(こうつうあんぜん) |
商売繁昌(しょうばいはんじょう) |
業務成就(ぎょうむじょうじゅ) |
開運招福(かいうんしょうふく) |
心願成就(しんがんじょうじゅ) |
就職成就(しゅうしょくじょうじゅ) |
学業成就(がくぎょうじょうじゅ) |
必勝祈願(ひっしょうきがん) |
良縁成就(りょうえんじょうじゅ) |
安産成就(あんざんじょうじゅ) |
初宮詣(はつみやもうで) |
七五三詣(しちごさんもうで) |
御祈祷の初穂料(費用)と授与品
寒川神社では、御祈祷の初穂料によって授与品の内容が変わる「式階(しきかい)」が設けられています。
中式(ちゅうしき) | 3,000 円以上 |
大式(たいしき) | 5,000 円以上 |
当座式(とうざしき) | 10,000 円以上 |
一代式(いちだいしき) | 30,000 円以上 |
永代式(えいだいしき) | 50,000 円以上 |
御祈祷では、神札(お札)・御守り・御神土(ごしんど)・御箸・御神供(ごしんく)・御神酒などが授与されます。
御祈祷の受け方
◎予約不要: 予約は必要ありません。当日に受付時間内に客殿(御祈祷申込所)で申し込みます
◎受付時間: 8 時~17 時まで(年中無休、正月時期は別途案内)
◎所要時間: 約20 分~30分程度
◎流れ: 受付 → 待合室(控室) → 御本殿へ移動 → 修祓 → 祈願祝詞奏上 → 玉串拝礼 (参拝) → 授与品受け取り
◎御祈祷は郵送の受付も可能です
寒川神社の御祈祷は、単なる形式だけでなく、その一つ一つの儀式が心を清め、参拝者に安心感を与えてくれます。特に八方除の御神徳は、人生の様々な局面において「転ばぬ先の杖」として、多くの人々に望まれ続けています。
それでは実際に御祈祷を受けてみます
客殿(御祈祷申込所)は神門の向かって右手にあるこの建物になります。
【受付】
はじめに御祈祷申込用紙に必要事項を記入していきます。
赤枠内の現住所、氏名、生年月日、電話番号を記します。住所や氏名は正式名称で記入します。走り書きや崩し字は避け、楷書(かいしょ)で丁寧に書きましょう(祈願の内容や初穂料、式階はご自身で記入する必要はありません)。
※連名はできないので注意してください
書き方が分からない場合は記入例が貼られているので確認しましょう。
書き終えたら列に並んで順番を待ちます。
寒川神社では祈願の内容を正確に神様に伝えるために、まずは神職が受付を行い、伺った内容に適した祈願を案内します。各々の方に沿った御祈祷はありがたいですね。
わたしは今回会社のことに関してお伝えし、「商売繁昌」を祈願することにしました。※受付で迷わないよう、祈願は事前に2つ程度にまとめておくとスムーズです。
その後、初穂料受付の窓口で初穂料を納めます(カード等は使用できず、現金のみです)
今回わたしは初穂料3000円を納めました。事前にいくら納めるか決めておくのがおすすめです。※料金は本レポートの御祈祷の初穂料(費用)と授与品を参考に。
受付を済ませると、番号の札が手渡されます。
【控室】
さっそく控室へ。番号によって控室は変わるため、ホワイトボードの案内に沿って移動します。
(控室は1階、2階、地階とあります)
この看板が目印。
控室は広々としていて心地よい空間でした。
授乳室も用意されており、赤ちゃんがいる方も安心して御祈祷を受けられます。
【いよいよ本殿へ】
しばらくすると、番号が呼ばれるので、巫女さんの案内に沿って御本殿へ向かいます。番号札はこちらで回収されます。
その後、格衣と呼ばれる白い衣を着用します。
着用を終えると、手水で手と口を清めます(巫女さんより拭紙が用意されています)。
そして御本殿へ進みます。
ここからは写真撮影は禁止となります。携帯電話など電子機器は電源をオフにします。
案内に従って御本殿へ進みます。

寒川神社提供
御本殿は椅子席の広い空間で、厳かな雰囲気が広がっています。
全員が席に着くと神職によりお祓いが始まります。その後、祈願祝詞が奏上されます。

玉串拝礼の様子(寒川神社提供)
祈願祝詞が終わると玉串拝礼の案内が始まります。御神前に進み、神様と私たちをつなぐとされる玉串(榊の枝)を受け取り、神職の指示通りに拝礼(2礼2拍手1礼)します。
【神札と御守りなどの授与】
その後、御祈祷が終わると神札と御守りなどの授与品をいただくため、案内に続いて左の部屋に移動します。
この時、自分の名前を確認した上で受け取りましょう。
受け取った授与品は紙袋にいれて持ち帰ります。以上で御祈祷が終わりました。
御祈祷のマナーについて【寒川神社監修】
初めて御祈祷を受ける方も、これまで受けていたけれど知らなかった方も御祈祷を受けるにあたって覚えておきたいマナーについて一緒に確認していきましょう。
初穂料
まずは事前に初穂料の金額を確認します。初穂料とは、神様にお供えするお金です。
表書きには「御祈祷料」、「初穂料」と記載し、下には氏名や団体名を書きます。 ※できればお札は肖像画を上にし、新札を入れるのが好ましいとされています。
服装について
「服装の指定はあるの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
推奨される服装はやはり、正装です。襟付きの服やジャケットを羽織るスタイルなど清潔で落ち着いた服装が良いでしょう。また靴を脱いで上がる神社もありますので靴下やストッキングを履いているのが好ましいとされています。細かな規定はありませんが、神様の前でふさわしい格好が望ましいためT シャツやハーフパンツ、ジャージなどは控えた方が良いとされています。
参拝中はここに気をつけよう
受付から授与品の受け取りまで、気をつけるべきポイントをまとめてみました。
- 私語は慎む(御祈祷中はもちろん、大声や周りの方に迷惑になるような私語は慎み、静粛な態度で御祈祷に望みましょう)
- 携帯電話はオフに(携帯電話はマナーモードに設定するか、電源をオフにしましょう。御本殿に入る前だと手間がかかるため、できれば控室で設定しておくのが良いでしょう)
- 神職や巫女の案内に従って行動をしましょう(御祈祷は決して一人きりで受けるものではありません。スムーズに御祈祷するために、案内に従いましょう。わからないことや困ったことは近くの神職や巫女に声をかけると親切に教えてくれます)
- 写真撮影のルールを守りましょう(写真撮影は禁止です。万が一撮影したい場合はきちんと許可を取りましょう)
マナーを守って気持ちよく御祈祷を受けましょう!
寒川神社で御祈祷を
冒頭でも記載した通り、寒川神社は日本で唯一の「八方除」の神社です。年間で約250万人の参拝者が訪れています。そのような寒川神社では、御祈祷を受けた方だけが入苑できる「神獄山神苑」(かんたけやましんえん)があります。
番号札を受け取った際に、入苑券がもらえます。
神苑は緑豊かな日本庭園で、寒川神社の資料館や茶屋が併設されており、四季の移ろいを楽しむことのできる静かで心落ち着く場所でした。御祈祷の後に抹茶をいただきながら、「神人和楽」のひとときを過ごしてみては。(3月上旬から12月中旬まで 9:00から16:00まで)
※次回は寒川神社についてのレポート記事が出ます!よろしければチェックしてみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか?今回は寒川神社の御祈祷についてまとめてみました。私も実際に受けてみて、心身共に清められる貴重な体験でした。人生の節目や悩み事などで御祈祷を検討している方はぜひ寒川神社に訪れてみてはいかがでしょうか?