伊勢原市老人クラブ連合会の朝田美奇夫さん(91)が考案した「スライドストーン」が、今、高齢者を中心に新たなムーブメントを巻き起こしています。なんと、その「球」には家庭でおなじみの漬物石が使われています。
伊勢原市老連の朝田美奇夫さんが考案
スライドストーンは、ポイントゾーンに向けて球を滑らせて得点を競う競技。誕生したのは8年前。伊勢原市老連ではこれまで似た競技の「カローリング」を推進していたが、専用球の費用が高額であることが課題だでした。そこで、スポーツ競技部門担当の朝田さんが「何か代わりになる安価なものはないか」と試行錯誤を重ねた結果、「重さも大きさもちょうどいい」漬物石にたどり着きました。さらに、球を滑らせるレーンには防虫ネットを採用。独自のルールも規定しました。こうして、アイデアと工夫が詰まった手作りのニュースポーツが誕生しました。

伊勢原市体育館で開催された大会の様子(6月19日)
当初40人弱でスタートしたスライドストーンは、その手軽さから単独クラブでの導入も増加。2018年には初大会も企画し、現在では150人もの会員が楽しむ人気競技へと成長しました。男女比もほぼ半々で、年に1回だった大会も今では年2回開催されるほど、会員たちの大きな楽しみの一つとなっています。
伊勢原市老連の森武連合会長も「会員のアイデアで伊勢原オリジナルの競技が生まれたことは喜ばしい」と語り、考案者の朝田さんは「スライドストーンをもっと広めていきたい。他の地域や小学生など、年代を超えたイベントも企画できれば」と、その夢を熱く語ります。費用を抑えながらも、誰もが気軽に楽しめるスライドストーン。今後さらなる広がりを見せることに期待が高まります。