公園に着きました。
子どもが走っていきます。こちらはベンチへ。
少しすると、知らない子と遊んでいました。
まあ、公園ではよくあることです。
追いかけっこをしています。笑っています。
いつの間にか二人で砂場へ。さらにもう一人増えました。仲良さそうです。
しばらくして子どもが戻ってきました。
「友だちできた!」
早い。「なんて名前?」聞いてみました。
「知らない。」
え。友だちなのに?
「何歳?」「知らない。」
「どこの学校?」「知らない。」
ほぼ何も知りません。でも友だちだそうです。
大人だったら、こうはいきません。
名前を聞いて。仕事を聞いて。住んでいる場所を聞いて。名刺なんか交換したりして。
それでもまだ「知り合い」だったりします。
こちらがそんなことを考えている間にも、
「おーい!」
さっきの友だちが呼んでいます。
名前を知らないので「おーい」です。何の問題もありません。また走っていきました。
しばらくすると、三人で何かを作っています。砂の山です。
「これ基地!」
誰の基地なのかは知りません。でも全員、真剣です。
帰る時間になりました。
「もう帰るよ。」
声をかけると、
「わかった!」
今日は珍しく素直です。さっきの子たちに手を振ります。
「バイバーイ!」「またねー!」
帰り道、聞いてみました。
「また会えるかな?」「会えるよ。」
「いつ?」「また公園に来たとき。」
ずいぶん大ざっぱな約束です。でも本人は何も心配していません。
「名前、聞けばよかったね。」
そう言うと、
「今度聞く。」
……順番、逆じゃない?
あなたにも、名前を知らない友だちがいたことはありませんでしたか。












