横浜市磯子区にある新杉田公園は、昨年から養蜂に取り組んでいます。飼育しているミツバチは初めての冬を乗り越え、啓蟄の3月6日頃から活動を活発化。2019年春から、採蜜したはちみつとはちみつ飴の販売をスタートしています。
刺されても“カワイイ” 約1万5千匹のミツバチ
現在、養蜂しているミツバチは2群。同公園の倉庫脇に設置されている2つの巣箱に、約1万5千匹が生息しています。養蜂を担当する三村忍さん(40)と山本まきさん(55)は、月に1〜2回、横須賀市の養蜂家・飯倉剛さんの指導を受けながら養蜂を学んできました。「最初は怖かった。でも世話をしていると蜂に愛着が湧いてくるんです」と口をそろえ、時にはゴム手袋の上から刺されても、今では「カワイイ」思えるのだとか。
養蜂の繁殖期は4〜8月。猛暑の中でも刺されないよう全身を覆い、巣箱を内見します。「熱中症との戦い。2時間はかかるので休憩をとりながら作業します」。そんな苦労からミツバチへの愛情が深まるとも。時間に正確で、休まず働く家族思いのミツバチの姿に、「ウチの子どもも見習って欲しい」と三村さんは笑います。
半径2㎞の花蜜を集めた百花蜜
新杉田公園のミツバチは半径2Kmにある花の蜜を集めてまわります。「いろいろな花の百花蜜なので季節によって、色・香り・味も違います」。年間で集まるハチミツは35〜40kg。蜜のたまった巣枠を遠心分離器にかけハチミツを採取します。
瓶詰めなどの製品化は近隣施設の「地域活動ホームいぶき」が行っています。公園では「はちみつ」(30g500円、160g1,800円)のほか、「はちみつ飴」(400円)も販売しています。
環境教育としての養蜂
もともと環境教育を目的として開始した養蜂。製品販売のほか、梅林小学校に出向き出張授業を行うなどし、環境活動を紹介しています。三村さんは「まさか自分が養蜂をするとは。新しい人と関わることで、世界が広がった」と話しています。