「中学受験で私立女子校」共学との違いは?学校選びは?
小学生の娘をもつ保護者にとって、進学の選択肢の一つに「私立女子校」があります。中高一貫の6年間を通じて女子教育を行う学校は、わが娘にとってどんな魅力があるのでしょうか。共学との違い、女子校に通うならどこを比べて学校を選べばよいのか、そもそもどれだけ学校があるのか―。
そんな疑問を解決してくれるイベント「私立女子中学に触れる会」が2019年6月4日(火)、横浜駅東口にある新都市ホール(そごう横浜店9階)で開催されたので現地を取材しました。
私立女子中学に触れる会とは
私立女子中学に触れる会は、東京・神奈川の私立女子中学が多く参加し、中高6年間一貫教育のメリットを伝える合同説明会で「私触会(ししょくかい)」とも呼ばれています。
私触会は毎年6月上旬の平日、新都市ホールで開催され、2019年で19回目。神奈川県内および都内の私立女子中学が多く集まる合同説明会のため、神奈川県在住で「女子校進学」の検討を始めるなら是非訪れたいイベントです。今回は29校が参加。約800組もの保護者らが来場し、活気に溢れていました。
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会場の様子は?
会場は「学校別相談コーナー」「7分間学校紹介スピーチ」の2部屋に分かれ、間のスペースに各校の展示コーナーが設けられています。
質問すべきポイントは?
受付で配られる資料の中に、個別相談でどんな質問をすればよいか「ヒント集」が入っていました。
- 生徒の雰囲気や学校の特徴は
- クラスの人数や編成は
- 女子校の良さは
- 補習や受験講座などの講習はどれくらい
- 授業についていけない時の学力補充対策は
- 部活動の種類や活動日数、入部率は
- 宿泊行事は
- 年間にかかる学費や奨学金制度は
- 進学指導はどのように?進学実績は
事前に質問を考えていても、いざ現場に立つと真っ白に…なんてこと防ぐ、嬉しい配慮です。
学校カラーを一挙比較できるスピーチ
私触会の魅力のひとつが「7分間学校紹介スピーチ」。校長をはじめ現場の先生が全29校から一人ずつ登壇し、学校の特徴や普段の生徒の様子、卒業生の話などを聞くことが出来ます。
登壇者によって学校のカラーが垣間見えるほか、中には卒業したばかりの生徒から届いた手紙を読み上げてリアルな声を伝えるなど、話の上手な先生もいて、1校7分はあっという間の時間です。
会場は出入り自由なので、相談コーナーの空き具合を見て調整できます。担当者に聞くと、最初から最後までスピーチ会場に座り、ひたすら話を聞く参加者もいるとか。確かに、他会場の合同説明会もあるので、ここで集中して各校の話を聞き比べるのは効率的です。
保護者の声
多くは母親一人での参加でしたが、夫婦で熱心に話を聞く姿や、小さな子や受験生を連れて来ている方も見受けられました。服装はほとんど普段着で、スーツなどを着用されている方に話を聞いてみると「仕事の合間に」と、気軽に来場できる雰囲気でした。
来場者に話を聞いてみました。()内は子どもの学年。
- 「初めて相談会に参加。スピーチは色々な学校の話が一度に聞けて良かった」(6年)
- 「他にも相談会はあるけれど、女子校比較に良かった。人が思ったより多かった」(6年)
- 「学校選びは自分が知っている所ばかり目が行きがちだけれど、ここにきて初めて存在を知る学校も多くあった。ここは通いやすそうとか、こんな学校があるんだという発見があった」(4年・5年)
兄が先に受験を経験し、妹はどうするか検討している方も。
- 「これまでは男子の受験で各会場を回ってきたけれど、今回は相談ブース目当てで女子校探しに。パンフレットを色々もらって、今度は本人を各学校に連れて行くスケジュールを立てようと思う」(5年)
- 「お兄ちゃんも受験したので、相談会には行き慣れている。大規模会場は相談者が多すぎて思うように聞けなかった。今日は思ったよりは混んでいたが、何校か話が聞けた」(3年)
子どもの性格に合った学校選びを
中でも印象的だったのが、子どもが多い夫婦の話。「自分は共学出身だが、男子校に進んだ長男は同性の中での教育の方が伸び伸びとしていいと実感したので、4年、5年の妹たちに女子校はどうだろうと興味持った」といいます。そして実際に6校ほど話を聞き「活発なお姉ちゃんは女子校に向いてる。女の子っぽく物静かな妹には、女子校の中では孤立しそうで、異性がいた方が意識していいかもしれない。他とのバランスで合う合わないがあるという発見があった」と話していました。一人ひとりの性格で向き不向きがあり、その学校が我が子に合うか見極めるのが親の役目。その検討材料に、私触会に参加する意義があったようです。