2月16日竣工
耐震の必要性や老朽化により進められていた田村八坂神社(沖津善弘宮司)の本殿改修がこのほど完了し、2月16日に竣工式が行われた。式典には約70人が参列。1200年以上の歴史を誇る神社の新たな船出を祝った。
1902(明治35)年に記された八坂神社由緒調査書によると、田村八坂神社の創建は延暦年間(782〜806)以前にさかのぼる。天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟にあたる素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られ、無病息災・学問上達・商売繁盛などのご利益があるとされる。
東日本大震災で被災
改修工事のきっかけは2011年の東日本大震災。関係者によると、この時の余震により、賽銭箱の横にある柱に15度ほどの傾きが確認された。「氏神を祀る神社を安全な形で次世代に残そう」と、神社役員が改修にむけ検討を開始。一昨年に予算のめどが立ち、昨年8月に着工した。
今回の改修により耐震化をはじめ構造材や石積み見直し、自然災害に備え樹木の剪定なども行われた。さらに、本殿の外側に面する彫刻を覆っていたトタンが外された。これにより白い防水材が施された江戸時代中期の貴重な彫刻をいつでも観覧できるようになった。
沖津宮司は2017年に新調された神社大みこしも引き合いに出し、「こうして神社が装いも新たに次世代につながっていくことをうれしく、誇らしいと思います」と話していた。