三井細山自治会の有志による自主農園で、サツマイモ収穫祭が10月27日行われた。空地を利用した同農園は今月末にも所有者に返されるため、最後の収穫祭となった。
2009年の終わりごろ、同自治会内で長年空地となっていた場所を農園として活用できないかと平山克己さん(81)らが所有者に相談したところ、使用を快諾。家庭菜園が好きな有志約15人が集まり、開墾から始めた。小瀬尚生さん(85)は「力仕事は素人だったから大変で」と振り返るが、150平方メートルほどの土地にトマトやジャガイモ、のらぼう菜とさまざまに栽培。不作だったのは線虫の被害が出た1年だけ。「会員の農作業知識もかなりついた」と平山さん。有志には若い世代も加わり、自主農園活動は10年続いてきた。
会員相互の交流場に
農園の目的は防災、防犯、環境美化、そして会員相互のコミュニケーション。自治会内の高齢者に作物を配布すると同時に見守り活動の機能も果たし、自治会の防災組織にも役立てられた。地域の子どもに楽しんでもらおうと、秋にはサツマイモ収穫祭を実施。最近では200人が参加するイベントになっていた。
所有者から今年度初めに土地を処分することを知らされ、収穫祭後に農園を閉じることに。最後の収穫祭には約250人が集まり、サツマイモ堀りや出来立ての焼き芋を住民同士で楽しんだ。
平山さんは「あらゆるラッキーが重なった10年。作業者だけでなくイベント参加者も親しんだ交流の場がなくなるのは、寂しい」と語った。