新型コロナウイルスの感染リスクがある中、ごみ収集に従事する人を元気付けようと、弘明寺町山下町内会(根本守会長)が6月5日から絵に感謝の言葉を添えたポスターを町内のごみ集積所に掲示している。「いつもありがとうございます」「コロナに気をつけて下さい」などの声援が届いている。
子どもに活躍の場
企画したのは町内会副会長の迫川敏和さん。「新型コロナの感染リスクが考えられる中、日々黙々とごみを回収する作業員の力になれないか」と考えた。長い休校や自粛生活で活動が制限される子どもたちに活躍の場を与えたいとの思いから、子ども会に依頼し、絵が好きな6人の子どもが集まった。子どもはA4判の紙に犬や猫などの動物や自分で作ったオリジナルキャラクターのイラストと励ましのメッセージを書いた。6月5日から町内の17カ所のごみ集積所に合計で約50枚を掲示している。
母親の影響で絵が得意だという大岡小学校に通う本郷凛君(5年)と妹の杏さん(2年)は、小学生が描いたとは思えない立体的な作品を披露。凛君は、市がごみ削減などを目標とした造語「3R夢(スリム)」のイメージキャラクターの「イーオ」と「ミーオ」を、杏さんはごみ収集車を模写した。ほかにも、かわいい絵に「いつもごみを集めてくれてありがとうございます」など、感謝の言葉を記したものが集積所に並んでいる。
声援励みに回収
家庭ごみの収集を行う市資源循環局南事務所によると、コロナ禍でごみ量は例年より1割以上増えている。梅雨入りし、気温や湿度が高い中での収集となるため、作業員は熱中症と隣り合わせの中、ごみを回収しているという。
弘明寺町山下町内会の集積所を担当する職員は「子どものメッセージ一つ一つが励みになり、疲れた体を癒してくれる。清潔なまちを維持できるよう、全力で業務にあたりたい」と話した。
4月下旬ごろから「ごみを集めていただき、ありがとうございます」といった感謝の気持ちを伝える手紙がごみ袋に貼られていることが増えており、南区内に感謝の輪が広がっている。