新型コロナウイルスの感染拡大を受け、区内の集合住宅では、居住者に感染者がでたときの対応を検討する動きが出ている。久本にある大規模な集合住宅「パークシティ溝の口」もそのひとつ。同住宅は4月21日、自治会、管理組合、管理会社による感染者が出た時の対応の話し合いが行われた(4月27日起稿)。
パークシティ溝の口の世帯数は1100世帯。居住者の約4割を65歳以上が占めている。
同住宅の自治会、管理組合で構成される自主防災組織と管理会社から6人が参加するオンライン会議が4月21日に行われ、感染者が出たときの対応が話し合われた。
会議を呼び掛けたのは、自主防災組織のメンバーで統括防火管理者を務める桜井良雄さん。桜井さんは、「実際に感染者が出てもマンションの管理組合や管理会社にすぐ知らされないと聞く。感染者の状況をどう把握するのか、その際の対応はどうするのか。検討する体制を整えておくだけでも、混乱を避けられる」という。
会議では、感染、または濃厚接触者となった場合は『管理防災センター(管理会社事務局)』に連絡すること、希望者には自治会を中心に買い物などの生活支援を行うことなどが決められた。さらに、共有部分の消毒作業の対応や感染者の個人情報の扱い、住民への注意喚起についても検討された。
話し合われた対応策は会議の同日にまとめられ、全世帯へ配布。居住者へ周知している。現在、住民から対応に関する問い合わせなどは来ていないという。
先月まで同自治会の会長を務め、会議に参加した山本美賢さんは「状況に合わせて、対応も変わってくると思う。まずは、マンション内での支援体制があるということを住民に宣言することが大切」と話す。