岡上町内会(宮野敏男会長)では、世代や地域を問わず、誰もが気楽に集える『岡の上Cafe(カフェ)』を定期的に開催している。高齢者だけでなく、子育て世代や子どもたちも興味を持ちそうな企画を用意。多世代が交流できる場とともに、地域の文化や伝統を継承できる機会ともなっている。
岡上地区は川崎市唯一の飛び地で、横浜市青葉区、町田市に囲まれている。会員数は2136世帯(2020年3月末)で、加入率は約85%。
04年から民生委員や主任児童委員、老人クラブ有志、ボランティアなどと協力して、『ささえあい活動』をスタート。日常生活の中で一時的で軽微な依頼を、地域で対応する活動だ。「話を聞いてほしい」「相談事がある」といった依頼が多く、「乳幼児を預かってほしい」という依頼をきっかけにして、地域の保育園で一時保育の受け入れが始まったこともあった。
気楽に集える場を
ささえあい活動を通して、主に高齢者に、話し相手がいない、外出する機会がないといった現状が見えてきた。新たな仕組みが必要と検討した結果、「話ができ、外出したくなるような催しを企画し、地域関係なく全世代が集まれる場をつくろう」と17年、『岡の上カフェ』が誕生した。
住民の知識が宝
岡の上カフェ最初のイベントは、よもぎ団子づくりとお手玉遊び。児童・乳幼児18人、青葉区の家族連れなど77人が参加し大成功のスタートとなった。その後も毎月第4土曜日に、七夕飾りやしめ縄飾り、お雛様、ハロウィン衣装をつくったり、マジック、演奏と様々な催しを行った。企画する際、地域住民の知識や経験の活用も大事にしている。「地域の人たちが持つ知識や文化は地元の宝。せっかく多世代が集まれるのだから、しっかり受け継げるようにしたい」と宮野会長。
20年は感染症拡大防止のため、3月から開催中止。12月にしめ縄づくりを行い、久しぶりに会う人たちは笑顔で近況を話した。ささえあい活動からボランティアで参加する民生委員の伊藤道子さんは「私たちが行ってきた岡の上カフェが、地元住民にとり、大切な場所だとコロナで中止になって改めて分かった。顔を合わす、言葉を交わす、違う年代の人と会うことが元気のもと」という。
今後の開催予定は同町内会HP(http://town-okagami.com/)で。