茅ケ崎駅から海へとまっすぐに向かう「雄三通り」。この商店街ではいま、「SDGs化」が進んでいます。各店舗では意識的にさまざまな「SDGs」の取り組みが行われ、少しずつ来店者にも伝わっている様子。そこで今回、茅ヶ崎を拠点に環境問題や世界の問題を共有するためのフリーペーパーの制作をする「地球過保護プロダクションBENIRINGO」の田中藍奈さん、阿部汐里さんに、「雄三通りSDGs化」をレポートしていただきました!
こんにちは!BENIRINGOです。今回は、市内在住の高校生・金丸泰山さんが取り組んでいる「雄三通りSDGs化」の取材をさせて頂きました!
金丸泰山さんと「雄三通りSDGs化」
去年の夏から、雄三通りにあるお店に「SDGsに取り組んでいただけませんか」と呼びかけてきた泰山さん。この声掛けによって、いくつかのお店が取り組みを始めています。
金丸泰山さん(16)
泰山さんは、小さい頃から海が好きで、年々増えていく海のゴミが気になっていました。中学生になって、ゴミ問題に対し「僕にできることはないか」と先生に相談すると「少年少女国連大使」を勧められ、中学3年生の夏にスウェーデン・スイスに行かれたそうです。
そこで彼は、SDGsを学んだり、当たり前に環境に配慮する街や国の姿を見て、日本との差に驚きました。
その後、まずは地元である「雄三通り」からSDGsを広めてみんなで取り組んでいきたいと思い、「雄三通りSDGs化」を始めたそうです。
他にも、SDGs for School 認定エデュケーターの資格を取って中学校に訪問授業をしたり、イベントなどでSDGsについての講演をしたりと様々な活動をされています。
「雄三通りSDGs化」どんなお店が、どんな取り組みをしているのでしょうか!BENIRINGOが紹介させて頂きます。
湘南つなぐ鍼灸接骨院
入り口には、スマイル太陽に、虹と手が繋いでいるイラスト。とっても可愛らしいです!
院長の太田さんは、泰山さんからSDGsのお話を聞いてから「何かできることはないか」と考えるようになりました。そこでまずはSDGs17の目標のうち、お店に該当するものをピックアップしました。
”鍼灸接骨院は、みんなの健康をつくる”
健康な身体は、生活をしていく上でとっても大切です。「誰かの健康」のために働いている湘南つなぐ鍼灸接骨院さんの活動は、SDGsの3番「すべての人に健康と福祉を」に該当します。
さらに、泰山さんと相談しつつ、15番「陸の豊かさも守ろう」と17番「パートナーシップで目標を達成しよう」に取り組むことになったとのことです。
タオル持参の呼びかけ
森林保全をはじめ、陸上の生態系を守り、回復させていくことを目指す、SDGsの15番。同院では、施術の時に使用する使い捨てペーパータオルの削減のため、MYタオル・MY手拭い持参の協力を呼びかけいます。皆がタオルを持参すると、1ヶ月で500〜800枚ほどの削減につながるそう。
院長の太田さんは、お客様にタオルを持参してもらうことに対して「最初は少し抵抗があった」と振り返りますが、現在では院内に貼り紙をして、積極的に呼びかけています。
近隣店舗とパートナーシップ
さらに同院では、新鮮な野菜や魚が揃う「魚卓」さんとパートナーシップを結んでいます!
ご利用者さんは「魚卓」でのお買い物が5%OFFになるんだとか!うれしいですね。近所のお店が関わりを持つことで、自然と人と人がつながり、街が温かくなっていく気がしています。
湘南つなぐ鍼灸接骨院をご利用される方は、タオルや手拭いを持参し、健康になってから更なる健康のために魚卓さんに行きましょう。湘南つなぐ鍼灸接骨院さん、ありがとうございました!
続いては、こちら!
ewalu(エワル)
お店の外回りには、植物がたくさん並べられています。緑色ベースで、ちらほら見える明るいカラーがすごく綺麗です!
環境負荷の少ない容器に変更
数年前に泰山さんのSDGsの取り組みを知った時、「圧倒されると共に、自分が恥ずかしくなった」と振り返ります。世界の問題に対して、いつかどうにかしなきゃとは思ってはいたけれど、「いつか」ではなく「今」することが重要なんだと気づかされた…と。
境さんは社内で何ができるか考え、フラワーアレジ用の入れ物を変更することに!
「針金やホッチキスで止める必要があったプラスチック性容器」から、「木製や生分解性プラスチックのオリジナル容器」に変更をしたのです(※大きさによっては旧容器を使用しています)。
「資源を大切にし、なるべくゴミは出さないよう心がける」。そんな環境への配慮をされています。
フラワーアレンジで使用した後は、インテリアとしてまた活用できるネーム入りお洒落なオリジナル容器になっています!
フラワーアレンジ容器改善の他には、花束を包むときに覆う「透明のセロハン」がなくても綺麗に包む方法を考え、セロハン不要の対応もしていただけます。また、お花を持ち帰る時の袋を削減するために、花束用のオリジナルエコバッグの製作を考えているようです!
ewaluさんは、工夫しながら〝できることから〟取り組みを増やしています。
女性が働きやすい会社づくり
また境さんは、環境の方面とは別に、育休明けに社会復帰がしやすいような会社づくりをされています。会社で社会保険や生命保険にも入れるようにしていて、シフトの調整だったり子育てサポートをしています。
「育休明けの方の社会復帰は、ウチにどうぞ〜」と優しく話してました。
地球環境だけでなく、人の働きやすい仕事環境も考えている境さん。
ちょっとずつだけど、アクションすることで誰かに届き、意識改革ができる!
私たちBENIRINGOもそう思います。
マスク有りでも一枚!「ewalu」境さん、ありがとうございました!
トラストボディ
次は整体「トラストボディ」さんです。(この項目は#ちがすき編集部が取材しました)
セルフケアの方法を伝える
トラストボディさんが大切にしているのは、「セルフケア」の考え方です。
身体の不調を訴える来院者に対し、施術をするだけでなく、「自分で自分の身体をケアする方法」を伝えています。「身体の動かし方」はもちろん「食べ物や飲み物の選び方」「心や環境の整え方」に至るまで、幅広く情報を伝えることを重視しているそうです!
同院ではこうした活動を、SDGsの3番「すべての人に健康と福祉を」に位置付けています。
また、YouTubeで発信したり、LINEで質問に答えたり。また書籍の紹介なども行っています。
このあたりは、SDGsの4番「質の高い教育をみんなに」にもつながります。
スタッフと会社の「共有ゾーン」を探る
さらに、同院が大切にするのは、スタッフがいきいきと働く環境づくりです。
「コーチング」の知識を生かし、一人一人が大切にしている価値観やビジョンを引き出しながら、会社の理想と「重なる部分」(共有ゾーン)を探ります。
この共有ゾーンが大きくなればなるほど、働きやすい環境に近づく…という考え方です。実際に同社では5年間離職者ゼロを達成しています。これはSDGs8番「働きがいも 経済成長も」に該当します。
代表取締役の川西翔太さんは、かつて理学療法士として総合病院に勤めていました。亡くなっていく方を多く看取ってきた経験から、「病気になる前のサインを見落とさず、健康寿命を延ばしてほしい」という思いを胸に、同社を立ち上げた経緯があります。「すべての人が、自分の身体をケアする方法を知っている…そんな状況を作りたいです」と話します。
B-grotto
最後はココ!パン屋「B-grotto」さん。
サーフボードを持つようにフランスパンを抱えている看板が目印です!茅ヶ崎が感じられますね。
階段を降りると、思わず写真を撮りたくなるような可愛い看板がいくつもありました。
「朝からオープンするパン屋さんを始めたかった」という旦那さん。B-grottoは、朝6時30分からオープンしています!
「食べたい食べたい」と言いながら、美味しそうなパンを一通り見学させて頂いた後!
B-grottoさんは、「自分たちがしている事がどうSDGsにつながっているのかが、あまり良くわからない」と仰っていたので、>私たちBENIRINGOが、お話を聴いた上でSDGsに繋がると思った取り組みをご紹介させて頂きます。
①ここでは、食品廃棄が出ない…SDGs 12「つくる責任・つかう責任」
雨が降ったりして、あまりお客さんが来なかったとしても売れ残って捨てることはないそうです。
売れ残ってしまったパンは、冷凍して「RE BAKE」というフードロス削減アプリを通じて全国各地へ配送販売をしているからのです!
食品ロスの削減に貢献できることはもちろんですが、全国のパンを食べることができてしまう!ということもあり、とっても人気のあるアプリだそうです。B-grottoさんのパンもすぐに売り切れるとのこと!捨てることなく、「美味しい」が遠くまで届く循環になっているのです。
②乳製品・卵不使用のパンがある…SDGs3「すべての人に健康と福祉を」
旦那さんの石井幸男さんは、美味しいパンのチョイスとして乳製品・卵不使用のパンを作っていましたが、実はアレルギーがある人でも食べることのできる優しいパンになっていたのです!
近所にある「ゆうゆう保育園」の先生がおやつの時間に、アレルギーがある子でも食べられるパンを買うために、お店に来るそうです!
特に考えずにしていたことが、誰かのために繋がる行動だったと気づくと、自分の行動や活動のやりがいを感じますね。
さらには、近所のイタリアンレストラン「オステリア・エ・ボッテガ・エッセ 」でチーズを作る工程で発生してしまうチーズの「かす」を、パンの生地に入れています。「捨ててしまっていたチーズのかすがもったいないので、使って頂けないか」とお声がかかったそうで、チーズのかすをくれるお返しにフランスパンをあげて物々交換をされているみたいです。近所だからこその関係を感じます。
特に「SDGs」を考えなくても、仕事の中で自然と、環境や誰かのためにつながる行動をしていたB-grottoさん。
持続可能な開発目標であるSDGsに対しては、「一人一人がまず課題を知ってから、その課題に対して意識したり自然と取り組んでいくことで、問題は良くなっていくのではないか」と言っていました。
B-grottoさん、大変ありがとうございました!
雄三通りSDGs化のレポートはここまでです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
BENIRINGOについて
改めまして、今回、雄三通りSDGs化のナビゲートを努めさせて頂きました「地球過保護プロダクションBENIRINGO」です。
私たちは、”地球をより良い惑星にし、皆で共存していけるように”を目標に、>茅ヶ崎にまつわる内容で、環境問題や世界の問題を共有するためのフリーペーパーの制作をしています。7月発行予定の4号からは体勢が変わり、定期発行をしていきます。次号は、私たちが捨てている茅ヶ崎のゴミについてや、来年から始まる茅ヶ崎のゴミの有料化についてなど、私たちなりの言葉で詳しく記事にしました!茅ヶ崎中に置いて頂けるように、色んなお店にどんどんお声かけ頑張ります。
『To the Earth〜香月×BENNIRINGO〜』ヒーリングアート
また、フェアトレード商品をマーケットなどで販売し、気軽に国際協力が実践できる場づくりをしています。7月末に、アーティスト香月さんの個展とコラボで6日間!出店させて頂きます。よかったら遊びに来て下さい!
『To the Earth〜香月×BENNIRINGO〜』ヒーリングアート
日程:7月23日〜7月28日
時間:10時〜17時
場所:藤沢市片瀬海岸1-9-10 Gallery-T
何かを知ることで意識するようになり、たった少しと感じるその意識が大きなチカラになると思っています。数ある問題がある中で自分たちに何ができるかと考えた時、まずは多くの人に現状を知ってもらい、意識したり行動する〝きっかけ〟を作ること思いました。
楽しいを原動力に、これからも活動していきます。いつか何かのタイミングで、この記事を読んで下さっているあなたにお会いできることを楽しみにしています。