いざ!という時に備えて防災意識を高めよう!
第6弾は「ごみ」
「災害に備えよう」と聞いて思い浮かぶのが、防災グッズの準備や避難場所の確認などですが、「ごみ」のことは考えたことがない人が多いのではないでしょうか。今回のテーマは、災害時の「ごみ」。川崎市環境局減量推進課の赤久保智弘さんと南侑伽さんにお話を伺いました。
これまでのテーマは「水」「電気」「ガス」「通信」「避難」
減量推進課って?
循環型社会の構築に向けて、市民・事業者・行政が協働して、ごみの減量や資源物の分別排出の徹底など、3R(「Reduce」=ごみを出さない・「Reuse」=繰り返し使う・「Recycle」=資源として再生利用)をより一層推進するため取り組んでいます。
収集車で被災地支援も
普段は川崎市内のごみの収集を支える同局ですが、他県で大規模災害が起きた時は、被災地へ廃棄物処理の支援に向かうことも。2024年元日に起きた能登半島地震では、環境省からの支援要請を受け、1月16日から2月2日まで収集車と職員を被災地に派遣。計21人の職員が避難所や地域で出たごみの収集・運搬を行いました。
なぜ、災害時に “ごみ” の話が重要なの?
災害時に出るごみ
災害時でも、普段と同じように生ごみなどの「生活ごみ」は発生しますよね。また、災害によって壊れたり、水浸しで使えなくなった家具や家電といった「片付けごみ」も発生します。
このように、災害時にはたくさんのごみが出ますが、収集がすぐに始められないことや、ごみが一度にたくさん出ることによって収集が間に合わないことがあります。
片付けごみを道路に出すことにより、救急車等の緊急車両やごみ収集車が通れなくなってしまうほか、生活ごみと一緒に集積所に出すと生活ごみの収集が難しくなり、腐敗、悪臭等の被害が発生する恐れがあるのです。
災害時のごみの対処法
生活ごみは…
「いつもの分別」で「いつもの場所」に持っていきましょう。
ただし、災害が発生した場合、「普通ごみ」は原則発災3日目以降から優先的に収集します。それまでは自宅で保管しておいてください。
大規模な災害の場合は資源物や粗大ごみの収集を中止する場合がありますので、再開するまでは自宅での保管をお願いします。
また、災害時でも分別は大事です。
分別がされていれば、その後の処理がスムーズにでき、復旧復興も早くなります。迅速な復旧復興のため、生活ごみや片付けごみの出し方のルールを守りましょう。
片付けごみは…
市が指定した「仮保管場所」に出しましょう。仮保管場所は、被害状況に応じて開設されます。場所や出し方は、市のホームページなどでお知らせします。集積所や道路に出してはいけません。
※甚大な被害が認められる場合は、全壊・半壊の家屋等の所有者が申請すれば市の基準の範囲内で解体撤去を公費負担する制度「被災家屋等解体撤去」もあります。詳しくは施設整備課(☎044-200-2575)へ。
生活ごみの収集情報や片付けごみの出し方は、市ホームページや川崎市ごみ分別アプリ、X(旧Twitter)「川崎市ごみゼロ・環境情報」などで情報を確認してください。
慌てないために、今できることは
家の整理整頓
普段から不要なものを整理しておくと、災害が起きた時に片付けるごみを減らすことにつながります。また、家具の固定や開き扉のロックを付けることで、身を守るだけでなく破損を防ぎ、これも片づけごみを減らすことに役立ちます。
トイレ対策
阪神淡路大震災では、66%が発災3時間以内にトイレに行きたくなったという回答があるほどトイレは重要。トイレが使えなくなっても困らないよう、水や食料と合わせて携帯トイレの備蓄を。使用済みの携帯トイレは袋を二重にし、普通ごみとして出すことができます。
※携帯トイレは様々なタイプが市販されています。公衆衛生の観点から製品ごとの使用方法を守って正しく排出してください。
※もし市販の携帯トイレがない場合は、大きめの袋にオムツやペットシーツ、新聞紙等、吸水性のあるものを入れて代用することもできます。
備蓄の目安
1人1日5回分 × 最低3日分(4人家族なら計60回分)
できれば7日分以上を備蓄しましょう
情報の入手方法
緊急時は、すぐに情報が伝えられないことも多いです。最新情報を得られるよう、事前に以下を登録するなどしておくと便利です。災害発生後だけでなく、大型台風接近による収集中止の情報等も確認できます。
「備える。」まとめ
- 事前の備え(家の整理整頓・携帯トイレの備蓄・情報の入手手段の確保)を大切に
- 「生活ごみ」は普通ごみ(特に汚物や生ごみ)を優先に、いつもの分別・いつもの場所へ。※資源物・粗大ごみは収集再開まで自宅保管
- 「片付けごみ」は仮保管場所へ