いざ!という時に備えて防災意識を高めよう!
第4弾は「通信」
災害が起きた時の通信手段はなくてはならないものです。今回は通信設備の構築や維持、運用などに取り組むNTT-ME尾島政樹課長、角田裕元さんに話を伺いました。
これまでのテーマは「水」「電気」「ガス」
被災地をバックアップ
地震、台風などの災害が起きると、通信設備の故障が多発します。 2023年の台風6号が沖縄を直撃した時には、1日通常20件くらいの故障が3000件超発生しました。地場のNTTグループやパートナーの通信建設会社だけのマンパワーでは対応しきれなくなったことから、東日本から支援部隊を派遣し復旧作業を行いました。沖縄はNTT西日本の管轄区域ではありますが、現場でやっていることは同じですので、いち早く通信が使える状態にすることを第一に考え、全国どこでもグループ総出で対応しています。
支援のあり方も多岐に渡ります。能登半島地震では、東日本エリアが被災者の罹災証明書を発行するために、ドローンを使って倒壊状況を空撮し、遠隔判定ができるような支援に協力しました。
地震、水害に負けない設備
川崎市内には電話、インターネットなどの通信設備を設置した「NTTビル」が各区にあります。「通信」の心臓部ともいえる施設で、これが被害を受けて中にある設備が壊れてしまうと、固定電話に限らず携帯電話等も通信ができなくなってしまいます。東日本大震災では、局舎ビルが津波で流され全壊したエリアにおいて、電話などが全くつながらなくなりました。
心臓部を守るためにも、局舎ビルは大地震があっても倒壊しない堅牢なつくりとなっており、東日本大震災の経験から水防対策を施しています。
また、故障への備えとして、NTT ビル間の通信伝送路は複数のルートを用意(冗長化)しています。
スマホ使えなくなること前提に
災害が起きると、全国から被災地に電話が集中するため、一般の電話を制限する場合があります。緊急・重要通信を守る役割を果たすためです。また、災害時における通信手段を確保するため、災害時用公衆電話(特設公衆電話)を避難所に用意しております。
電話やインターネットを使った伝言板「災害用伝言ダイヤル(171)」「災害用伝言板(web171)」の活用も有用です。家族・親戚・友人などの間であらかじめ、連絡を取りたい電話番号や伝えたい内容(名前、今いる具体的な場所、誰と一緒か、怪我や体調、次の連絡はいつか)を決めておきましょう。デマ対策にもなりえるのではないでしょうか。
毎月1日及び15日、正月三が日、防災週間(8月30日~9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日~21日)には体験利用ができます。一人一台スマホを持っている時代ですが、通信が使えなくなったり、被災者が家にスマホを置いて避難しているケースもあります。災害が起きたら使えなくなることを前提に、利用の訓練をしておきましょう。
自治体や企業との日頃からの連携
川崎市が継続して開催している「川崎市ライフライン連絡会議」では、市とライフライン事業者が集まって災害対策に関する情報交換が行われているほか、昨年11月に行われた市制100周年記念事業「Colors,Future!Summit 2023」では、川崎市、東京電力パワーグリッド、東京ガス、NTT東日本の4者で、災害に強いまち、まちの価値創造に向けたトークセッションが行われました。こうした取組みのおかげで、能登半島地震の際には、現地でお互いがどんなことに取り組んでいるか、といったやりとりをすることができたのです。日頃からの積み重ねの成果だと思います。
・市制100周年記念事業「Colors,Future!Summit 2023」の様子はユーチューブ動画でご覧いただけます。
日頃から備えておくべきもの、知っておくべきこと
- スマホがあっても使えなくなることを前提に考える
- 「災害用伝言ダイヤル(171)」「災害用伝言板(web171)」は安否確認のツールの一つ。体験訓練もできる
- 避難所には特設公衆電話が開設される
高津区役所危機管理御担当から
普段の生活においてスマートホンは欠かせないものとなっていますが、通信が途絶えてしまうと、人との連絡、インターネットの利用ができなくなり、不安に駆られてしまいます。「171」「web171」を使った連絡方法を訓練しておくほか、災害時の情報収集手段としてラジオを備えておきましょう。
第5弾は「避難」です
リンク集
NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)」
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/
NTT東日本「災害用伝言板(web171)」
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/web171/index.html
川崎市「かわさき防災アプリ」