萩園の一角にある、有限会社グロウプラスのショールーム。
扉を開けた瞬間、そこは一般的な住宅会社のショールームとは少し違う空気をまとっています。整然と商品が並ぶ場所というより、素材や家具、照明、壁の質感まで含めて、ひとつの空間としてつくり込まれた場所です。
「僕らの考えるショールームは、空間づくりを見てもらう場所なんです」
そう話すのは、有限会社グロウプラス代表の中田暁浩(あきひろ)さんです。2006年に会社を立ち上げ、住宅や店舗のリフォーム、空間設計などを手がけてきました。

(左)中田さん、(中)取締役の野田さん、(右)プレスの相澤さん
お客さんの声が、現場まで届く会社に
中田さんが起業した背景には、職人として現場に立っていた頃に感じていた違和感がありました。
営業、設計、現場管理、職人。それぞれの役割が分かれていること自体は珍しくありません。しかし、現場で作業をする中田さんのもとに、お客さんの声が十分に届かないことがあったといいます。
「お客さんのために作っているはずなのに、現場では“単なる仕事”になってしまう。それがすごく嫌だったんです」
高いお金をかけて家をつくる人がいます。その思いを受け取る人がいて、図面を描く人がいて、実際に手を動かす人がいます。本来はひとつのチームであるはずなのに、どこかで気持ちが分断されてしまう。
だからこそ中田さんは、打ち合わせから設計、見積もり、施工までを、できるだけ近い距離で共有できる会社をつくりたいと考えました。
「お客さんの声が、そのまま現場に届く環境をつくりたかったんです」
社名の「グロウ」には、成長という意味が込められています。そこに人が加わることで、さらに成長していく。グロウプラスという名前には、そんな思いがあります。

店舗づくりの感覚を、住宅にも
グロウプラスの特徴のひとつは、住宅だけに特化していないことです。店舗づくりの経験を生かしながら、住宅の空間づくりにも取り組んでいます。中田さんは、住宅づくりには一定の基本やマニュアルがあると話します。断熱、耐震、間取り、設備。もちろん大切な要素ですが、それだけでは空間としての面白さや、その人らしさまでは生まれにくいといいます。
「店舗の設計をやってきた人間が住宅を考えると、住宅専門の人とは少し違う空間になるんです」
店舗には、入った瞬間に感じる雰囲気があります。居心地、照明、素材、動線、視線の抜け方。言葉では説明しきれない空気感が、その場所の印象を決めています。グロウプラスが住宅にも持ち込もうとしているのは、まさにその感覚です。ただ暮らすための箱ではなく、そこにいる時間が少し楽しくなる場所。家に帰ることがうれしくなる場所。人を招きたくなる場所。住宅でありながら、どこかお店のような心地よさを感じる空間づくり。それが、グロウプラスらしさなのかもしれません。

茅ヶ崎らしい暮らしは、家の外にこそ
中田さんが茅ヶ崎らしい住まいを考えるうえで大切にしているのが、「外の空間」です。ウッドデッキ、ガレージ、サウナ、サーフボードロッカー、ペットのためのスペース。家の中だけを整えるのではなく、外とのつながりまで含めて暮らしを考えています。
「室内の空間を大事にするなら、外の空間も同様に大事にしていく必要があるんです。中と外がつながると、すごくいい感じになる」
たとえば、床や壁だけでなく、天井や家具にも天然素材を取り入れた、木の温もりを感じる家。調湿効果に優れた素材に包まれることで、自然と呼吸が深くなるような心地よさがあります。
開放的なリビングからつながるウッドデッキ。山を眺め、海風を感じ、木漏れ日が差し込む空間でゆっくりと過ごす時間。家族の成長とともに経年変化する色艶、木に刻まれていく記憶。それこそが、茅ヶ崎らしい暮らしなのかもしれません。
茅ヶ崎には海があります。サーフィンをする人だけでなく、散歩をする人、犬と歩く人、休日に外で過ごす人。暮らしのどこかに、自然と外の時間が入り込んでいます。
だからこそ、家の外側に少し余白があることが、茅ヶ崎の暮らしにはよく似合います。バーベキューをする。ボードを洗う。犬と遊ぶ。夕方にデッキでひと息つく。そんな何気ない時間まで含めて、住まいを考える。
グロウプラスが手がけるガレージやサウナ、オリジナル家具も、単なる付加価値ではありません。暮らしの選択肢を広げるための、空間づくりの一部です。
「ニーズ以上を形に」するための場所
ショールームもまた、グロウプラスの考え方を伝える大切な場所になっています。もともとは倉庫だった空間を、自分たちの手で少しずつ作り込み、今も変化させ続けているといいます。商品を並べて見せるのではなく、グロウプラスがどんな空間をつくる会社なのかを、入った瞬間に感じてもらうための場所です。
「おしゃれだな、いい雰囲気だなと思ってもらえたら、それがうちの良さを感じてもらったということだと思います」
中田さんが大切にしている言葉があります。
「ニーズ以上を形に」
お客さんの要望に応えるだけではなく、その先にある「こうなったらもっといい」を形にする。そのためには、働く場所そのものも大切だと中田さんは考えています。スタッフがいい空間の中で考え、打ち合わせをし、設計をする。そうすることで、よりよいアイデアが生まれる。ショールームや事務所の空気感は、お客さんのための空間づくりにもつながっています。

まるで洗練されたセレクトショップのようなショールーム
若い職人を育て、チームで成長する
これから力を入れていきたいことを尋ねると、中田さんは「人材育成」と答えました。職人不足が言われる時代。グロウプラスでは、20代の若いスタッフも育っています。中田さん自身が現場で培ってきた感覚を伝えながら、次の世代を育てています。
「会社って船みたいなものだと思うんです。そこに乗っている一人ひとりに役割がある」
若い感性を大切にしながら、実はとても真面目に、丁寧に仕事と向き合う。外から見ると自由でラフな雰囲気がありながら、その根っこにはものづくりへの強い責任感があります。それもまた、グロウプラスらしさです。

社員間の和気あいあいとした雰囲気が印象的です
まずは、空間を感じに”遊びに”行く
これから茅ヶ崎で家をつくる人。お店を開く人。暮らしを少し変えたい人。
中田さんは、堅苦しく構えるよりも、まずは遊びに行くような感覚で気軽に空間を見に来てほしいと話します。家づくりも、店づくりも、最初から明確な答えがあるわけではありません。話しているうちに見えてくることがあり、空間を感じることで生まれるイメージもあります。
茅ヶ崎らしい暮らしとは、海の近くに住むことだけではありません。外とのつながりを楽しむこと。自分の好きなものを暮らしに取り込むこと。家の中にも外にも、少し余白を持つこと。グロウプラスがつくっているのは、ただの建物ではなく、その人の暮らしが豊かに広がっていくための空間なのかもしれません。

遊びに来る感覚で気軽にショールームに立ち寄ってもらいたいと語る中田さん
有限会社 グロウプラス
住所:神奈川県茅ヶ崎市萩園3041
電話:0467-84-8517
ホームページ:https://growplus.style/















