「このままAIが進化したら、私たちの仕事はなくなってしまうのでしょうか?」
AIについてお話しすると、よくいただく質問です。
確かに、これまで人が時間をかけていた仕事の一部を、AIが担うようになっています。文章をまとめる。資料の下書きを作る。情報を整理する。アイデアを出す。
では、人の仕事はなくなるのでしょうか。
私は、「仕事そのもの」より先に、仕事の中にある“作業”が変わっていくと考えています。
例えば、地域のお店でチラシを作るとします。文章の案やキャッチコピーは、AIが数秒で考えてくれるでしょう。でも、
- 「あのお客様には、どんな言葉なら喜んでもらえるだろう」
- 「この町では、何が求められているだろう」
と考えるには、日頃から人と接してきた経験が必要です。介護でも、教育でも、子育てでも同じです。
AIは情報を整理することはできます。
でも、表情を見て「今日は少し元気がないな」と気づいたり、言葉にならない気持ちを想像したりすることは、人だからこそできる大切な仕事です。
だから私は、AIと人間を競争させなくてもいいと思っています。
AIに任せられることは任せ、人にしかできないことに、もっと時間を使う。
これが、AIを味方にするということです。
第8話では、「AIには情報があり、人には経験がある」とお話ししました。仕事では、そこにもう一つ、「関係」が加わります。
AIには情報があります。人には経験があります。そして、人と人との間には信頼があります。
- 長く通ってくださるお客様との関係。
- 職場の仲間との関係。
- 地域で積み重ねてきたつながり。
こうしたものは、一日ではつくれません。
AIがどれだけ賢くなっても、人の価値がなくなるのではありません。
むしろ、「人にしかできない仕事とは何だろう」と考える機会が増えていくのだと思います。仕事を守るためにAIから逃げるのではなく、AIに任せられるものを見つけて、自分にしかできないことを磨いていく。
あなたの仕事の中で、「AIに任せたいこと」と「自分が大切にしたいこと」は、それぞれ何でしょうか。
その二つを分けて考えることが、これからの働き方をつくる第一歩になるのかもしれません。










