等々力プールを復活させたい―。そんな願いを込めた請願書と署名の束が1月16日、中原区町内会連絡協議会の原富雄会長から川崎市議会の山崎直史議長へ手渡された。
「等々力緑地屋内外プール設置に関する請願」は、町会や中原区子ども会連合会、ソフトボールやラグビーなど地域スポーツ団体ほか1万599筆の署名が加わり、昨年10月に先行して提出された63筆と合わせて1万662筆となった(1月16日時点)。
原会長は「夏休みなど、気軽に利用できる家族団らんの場としてプール復活を望む声は多い。ぜひ実現してもらいたい」と話した。これを受け、山崎議長は「署名1万筆を超えるというのは、市民の関心の高さを感じる。しっかり審査していきたい」と話した。
請願は今後、まちづくり委員会に付託され、審査される。同会では審査開始まで引き続き署名を受け付ける。
等々力緑地はこれまで、2011年に策定された「等々力緑地再編整備実施計画」に基づき、段階的に整備されてきた。陸上競技場や市民ミュージアムなどの施設も含め、より魅力的な公園にするために一体的な維持管理・利活用の検討を進めていた。そんな中、市内最多利用者数の屋外プールだったという等々力プールは、老朽化や敷地の効果的な利用が図られていないなどの理由で2015年夏に廃止。計画では等々力陸上競技場へ複合化の可能性を検討すると示されていたが、2018年以降、プール整備についての検討状況は市民に示されていなかった。
川崎市は「実施計画」について、施設の老朽化だけでなく、市民の価値観の多様化や浸水被害などの自然災害リスクの高まり等を踏まえて、改定に向けた検討も進めることを今後の取り組み方針として示している。