明王院(徳延)の本尊「白衣観世音菩薩」と宝積院薬師堂(上平塚)の「薬師如来立像」が県立歴史博物館(横浜市中区)で10月10日から行われる特別展「相模川流域のみほとけ」で特別に展示される。通常は決まった干支の年だけ公開されるため、貴重な機会となりそうだ。
明王院(徳延)の本尊
およそ500年前から続く同院(天台宗)の本尊「白衣観世音菩薩」は丑年のみに御開帳になる「秘仏」。2010年に平塚市指定重要文化財に指定された。同展のため11年ぶりに人の目に触れることとなった。遠藤宏信住職は「私も7年ぶりにご本尊の扉を開けた。ご本尊が寺を出るのは知る限り初めて」と話す。
市の調査では本尊は室町時代の造立で、明王院の開山当時と推定されている。複数の材を使用する寄木作(よせぎづく)りで造られている。
宝積院薬師堂(天台宗)
宝積院薬師堂(天台宗)は、寅年のみに開帳する秘仏の「薬師如来立像」を2年早く公開する。市重要指定文化財にも指定されている。13世紀、鎌倉時代に作られたが作者不明だという。
同展では、相模川流域に伝わる仏像を鑑賞できる。同館の学芸員・神野祐太さんは「仏像というと鎌倉や箱根などが有名で、相模川流域のイメージがない。住まいの近くにもあることを知ってほしい」と話す。
平塚市内から13点出品予定
市内からは善福寺や光明寺のほか市博物館・市教育委員会の所蔵品13点が出品される予定。会場には東京国立博物館や早稲田大学會津八一記念博物館の所蔵品など75点の仏像が展示される。
10月10日〜11月29日(月曜休館)、午前9時30分〜午後5時。観覧は有料。