枡形5丁目・6丁目に位置する稲目町会と大道自治会、大谷自治会らが、新たな「地域カフェ」を今月から始める。町会の枠を超えた広域の関係づくりを進め、災害時の助け合いや健康寿命の延伸につなげたい考えだ。
多世代に開かれた交流の場として、各地で広がりをみせている「地域カフェ」。多摩区内では市民団体や福祉施設によるカフェのほか、栗谷町会や生田山の手自治会、登戸南武町会など、町会主体のカフェも増えている。
今回、枡形で立ち上げることになったきっかけは2年ほど前、専修大学が地域との連携を図る中でカフェを開催しようと、3町会に声をかけた。同大生田キャンパスで一度開催されたが、継続には至らなかったという。
その後、町会や民生委員児童委員らの間でカフェ開設への思いが強まり、長沢荘寿の里地域包括支援センター等の協力を得ながら実行委員会を発足。専大のボランティア団体の学生も運営に加わった。同センターの青木淳さんは「枡形は高齢者が多く、集まれる場所が少ない。3町会合同は珍しく、センターとして支援していきたい」と話す。
「韋駄天カフェ」
新たなカフェの名前は「韋駄天カフェ」。地元の天神社が韋駄天神にゆかりがあることから名付けた。会場は3町会が属する東生田町会連絡協議会の東生田会館(枡形3の3の17)。実行委員代表を務める大谷自治会の本多正典会長は「近所で顔見知りになることで、災害時の助け合いにもつなげたい。将来的には、東生田町連の全体に広がったら」と思いを語る。
まずは月1回程度の開催で、初回は5月26日(日)、午後1時から3時。お茶やおしゃべりを楽しむほか、「ゆったり体操」やバルーンアートなどの企画も予定している。参加費は200円、小学生以上100円。大道自治会の野村修平会長は「子どもからお年寄りまで、門戸を開いて誰でも参加できるようにしたい」と話す。
地域通貨活用も
韋駄天カフェでは、参加費として地域通貨「たま」を利用できる。「たま」は多摩区内のボランティア活動などで活用されている地域通貨。会員のお店などで支払いの一部として活用されている。
大谷自治会では2016年から「たま」を自治会活動に導入。毎月の掃除や総会などの参加者に「たま」を進呈し、自治会費やイベントの参加費に充てられるようにしている。「『たま』の使い道の一つとして、カフェを活用してもらいたい」と本多会長。稲目町会の森一美会長は「子ども会で『たま』を活用しようという話も出ている。今後、町会としても考えていけたら」と話している。