町内会・自治会の大切な役割の一つに挙げられるのが、高齢者の見守り活動だ。川崎区内の各町内会でも、高齢者の孤立を防ごうと趣向をこらしたさまざまな活動が行われている。
小田一丁目町内会(會田勝規会長)でも、民生委員らが中心となり、見守り活動を行っている。町内会の取り組みとして、9月27日には敬老祝いの会が開かれた。
午前10時、会場の西小田公園には70歳以上の住民が続々と集まった。今年用意された記念品は、ゴーフルと地元の和菓子店・明志屋の紅白まんじゅうだ。公園の前にある町内会館には428個の包みが用意され、役員らが手際よく会場へ運んでいた。記念品を受け取った74歳の女性は「コロナのこともあって、最近はイベントも少なくて寂しかった。お祝いをしてもらってうれしい」と笑顔をみせた。
「顔見知りつくって」
「高齢者は引きこもりがちになってしまうので、イベントをきっかけに外に出て、顔見知りをつくってもらえれば。深入りせずに、いい関係を築きたい」と話すのは民生部長の木村典子さん。民生委員らは夜間のパトロールや高齢者への声掛けなどを行うことで、高齢者一人ひとりを見守っているという。
會田会長は「町内会には顔なじみはいるはず。イベントに参加して昔話でもして楽しんでもらえれば」と話した。
川崎区の高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)は22・13%と全市平均20・31%を上回る(2019年10月時点)。川崎区でも高齢者の見守り対策に取り組んでいるが、町内会が担う役割は大きい。水谷吉孝川崎区長は「外出や人と会うのを控えがちな今は見守りが難しい時期だが、安心して出られる機会をつくっていただけるのは、とてもありがたいこと」と話している。