探査機・はやぶさ2のカプセルが小惑星リュウグウからの地球帰還に成功したのを記念し、相模原市はこのほどJAXA宇宙科学研究所(宇宙研)と協力してオリジナルデザインのマンホール蓋(ふた)を製作した。2月12日(金)午後、市内2カ所に設置される。はやぶさ2の世界的偉業をたたえるとともに、設置地域の魅力アップや下水道事業の理解促進に向けた契機づくりをねらう。こうしたはやぶさ2関連事業について市は、新型コロナウイルスの感染状況を見ながら随時行っていく。
初のJAXAと連携
市下水道部がマンホールを製作するのは約20年ぶりで、JAXAと連携して製作するのは初めて。特製マンホールの蓋は淵野辺駅南口駅前広場と市立博物館入口の2カ所に設置される。
淵野辺駅南口駅前広場
淵野辺は駅北口の商店街「にこにこ星ふちのべ商店会」が「銀河をかけるまち」をコンセプトにまちづくりを進め、JAXAから感謝状が贈られるなど深いつながりがあるため市が打診した。博物館は宇宙研の向かい側にあり、近接していることから選定された。
同駅南口に設置されるのは「はやぶさ2」カプセル帰還記念蓋。
青を基調としたデザインで、宇宙と生命の起源である水、その循環を支える「下水道」をイメージし、市とはやぶさ2との連携を表現している。
市立博物館入口
博物館前に設置されるのは、さがみん×はやツー君デザインマンホール蓋。市のイメージキャラクターである「さがみん」とはやぶさ2をモデルとした、JAXAのキャラクターの「はやツー君」が宇宙を楽しく泳ぐ様子を表し、誰もが親しみやすく感じてもらえるようなデザインに仕上げている。
製作をめぐっては、はやぶさ2カプセルの地球帰還を記念した事業として2020年2月から構想を開始。その後の緊急事態宣言で一時は進行に遅れが生じたものの、6月に具体化が進み、デザインなどの協議を重ねた。12月に地球帰還が成功したのを受け、2021年1月上旬に完成させた。
これまではやぶさ2の打ち上げと帰還をパブリックビューイングなどで盛り上げてきた同商店会の萩生田康治会長は、マンホール蓋の設置について喜びを口にする中、「はやぶさ2のデザインが、その先の下水道への理解につながっていくきっかけにもなれば」と期待を寄せた。
リュウグウでサンプルを採取したカプセルの公開に向け市は現在、新型コロナウイルスの状況を見ながら準備を進めている。正式決定後、ホームページで公表する。市の担当者は「市として、今後もはやぶさ2を市民と一緒に盛り上げていきたい」と話している。