皆さんは「銭湯」に行ったことがありますか?
銭湯といっても最近では「スーパー銭湯」のような、複数のお風呂がある施設が増えていますが、ここでご紹介したいのは、いわゆる「まちの銭湯」です。 銭湯に関する法律「公衆浴場法」によると、まちの銭湯のような「一般公衆浴場」は、日常生活の中で保健衛生上必要なものとされており、入浴料は地域ごとに決められています。
- 一般公衆浴場が加盟する「神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合」によると、2021年2月末現在、横浜市内には58軒、神奈川県内には129軒の銭湯があります。
ここでは、記者が訪れた横浜市内の銭湯の様子を通して、「銭湯初心者」向けの入浴の仕方、銭湯の魅力を紹介します。
下駄箱に靴を入れて鍵を忘れずに
まずは銭湯の入口です。下駄箱があります。ここで靴を脱いで下駄箱に入れます。鍵がついているので、忘れずに。中には「下足札」と呼ばれる木の札を使っているところもあります。ブーツなどは大きいものが収納できない下足箱もあるのでご注意を。
今では昔ながらの「番台」よりもフロント形式
中に入るとフロント(受付)があります。銭湯というと、昔ながらの番台があり、その左右の入口から男湯、女湯が分かれているイメージを持っているかもしれませんが、今では多くの銭湯がフロント形式です。これなら「番台から着替えているところを見られるのがちょっと…」という心配はありませんね。
フロントか番台で入浴料金を払いましょう。最近では多くの銭湯に券売機が置かれており、ここで購入した券をフロントに渡します。入浴料金は以下の通りです(2021年2月末現在)。神奈川県内の銭湯であれば、どこでも料金は同じです。
大人 | 12歳以上 | 490円 |
中人 | 6歳以上12歳未満 | 200円 |
小人 | 6歳未満(未就学児) | 100円 |
銭湯を何度も利用する方や家族など、複数で行く方には共通入浴券の回数券(10枚綴り)がおすすめ。各銭湯で販売しています。回数券の料金は以下の通りです。
大人券 | 12歳以上 | 4,600円 |
中人券 | 6歳以上12歳未満 | 1,900円 |
小人券 | 6歳未満(未就学児) | 900円 |
このほかに、組合では子育て家庭を応援しようと、中学生は、学生手帳提示をすると100円が割り引かれます。また、小人2人まで無料(保護者同伴に限る)になります。
手ぶらでOK!石けん、タオルは買えちゃいます
ほとんどの銭湯には、石けんやシャンプー、リンス、タオルなどを販売しています。これらをまとめた入浴セットを販売しているところもあるので、手ぶらで行ってもOKです。券売機で買えるところもあります。
さあ、料金を払ったらのれんをくぐって脱衣室へGO!ほとんどの銭湯にはロッカーがあります。脱いだ服をロッカーに入れたら、必ずカギをかけて、それを手首などに巻いて浴室へ向かいましょう。
まずは「掛け湯」から
銭湯入浴の始まりは「掛け湯」からと言われます。家のお風呂とは違い、多くの人が入る浴槽には、体を清潔にして入ることが大切です。カラン(蛇口)の湯を桶に取り、頭からかぶって汚れを落としましょう。掛け湯には、お湯に体を慣らすという目的もあります。
いよいよ、浴槽に浸かります。お湯の中に長い髪の毛がつかったり、タオルを浴槽につけたりして入浴することは不衛生なので気を付けましょう。銭湯のお湯は家庭のお風呂より熱めのところが多いもの。江戸以来の伝統ですが、どうしても我慢できない時は、一緒に入浴している他の人に断ってから水を出します。中には勝手に水を出してトラブルになったという話もあるので、注意しましょう。銭湯の方によると、健康のためには、熱いお湯には5~10分程度、ぬるいお湯には20分程度浸かるのが適切だそうです。額から汗をかく程度になったらOK。
「電気風呂」や「ジェット風呂」でさらに快適
銭湯によっては、ビリビリとした気持ち良さがある「電気風呂」や泡がゴボゴボと吹き出し、体を刺激してくれる「ジェット風呂」を設けているところもあります。さらに、サウナ室がある銭湯も。サウナは別料金の場合がありますので、各銭湯に確認してください。
よく温まったら体を洗いましょう。お湯と水とが別々のカランになっているところが多いです。桶のお湯を適温に調整しましょう。
何十年も活躍するドライヤーを発見!
浴室から脱衣場へ戻る際は、濡れたを体をタオルでよく拭いてから。足の裏の水気も、足拭きなどで取りましょう。滑りやすいので気を付けてくださいね。洗面台にドライヤーがあり、数十円で使えるところもあります。何十年も活躍しているドライヤーに出会えますよ。
腰に手を当ててコーヒー牛乳をグイっ!
着替え終わった後は、水分補給が大切ですね。フロントのそばに飲み物が販売されているところが多いです。今ではなかなか見られない瓶の牛乳、コーヒー牛乳を置いているところもあります。腰に手を当ててグイっ…というのも銭湯の醍醐味ですね。
銭湯によっては広い休憩スペースがあるところも。さらにリラックスできますよ。
人がいない時間帯なら午後2時~4時がおすすめ
ここまで聞いても「銭湯って常連の人が多くて、初心者が行っていいものか…」と迷っている方も多いはず。銭湯の方に聞いてみるとー
- 「常連さんは開店直後や夕方以降に来ることがほとんどです。もし、人があまりいない時間帯に入浴したいならば、午後2時~4時くらいがおすすめです」と教えてくれました。
銭湯の魅力は、家では味わえない広々とした空間。ゆっくりと足を伸ばして入れるお風呂というのは嬉しいですね。最近ではマラソンランナーのために、「ランナーズステーション」として荷物をフロントで預かってくれるサービスを行っているところもあります。銭湯付近を走った後にお風呂で汗を流すーというのは最高ですね。趣味がマラソンの記者も何度か利用したことがあります。
- 組合加盟の銭湯では、こどもの日に「菖蒲湯」、冬至に「ゆず湯」を行っています。季節を感じられる取り組みで、子どもにも好評だとか。
ほかにも、地域ごとに高齢者の入浴サービス事業、介護予防デイ銭湯事業などを行っており、住民の健康増進やコミュニティの場としての役割も果たしています。
まずは一度、銭湯へ行ってみませんか? あなたのまちの銭湯はココから探せます。
今回訪れた銭湯
横浜天然温泉くさつ (外部リンク)
亀遊舘 (外部リンク)
恵びす温泉 (外部リンク)