新型コロナウイルスの影響で、2020年春ごろから全国的にイベント中止が相次いでいます。そんな中、地域活性のために工夫を凝らしている茅ヶ崎市の有志がいます。そのひとつが、「機動湘南グルメ市場」。複数のキッチンカーが市内を中心に湘南各所を巡回。「屋外」かつ「テイクアウト」という販売形式で、”密”を避けた市場をつくっています。
「機動湘南グルメ市場」はまず、レストランなんどき牧場(茅ヶ崎市今宿)をはじめとした店舗駐車場を拠点に開始。その後茅ヶ崎市と協力し、新型コロナの影響で閉館が続いていた市内公民館の駐車場を利用し、その幅を広げました。さらにクリエイトSDとも連携。2021年2月からは、湘南地方で展開するスーパーマーケット「やまか」とのコラボが始まりました。
キッチンカー市場は、地域住民からは「遠出ができない中、地域の中でいろんな味が楽しめるのがうれしい」と好評。また、例年イベント出店で稼ぐことの多いキッチンカー業者にとっても、「イベントがなくなってしまった中、このような機会はとても助かっている」との声が寄せられています。
もちろん、感染症予防として、下記の対策を徹底しています。
- 体調不良の方の入場禁止。マスク着用義務。入口にて手除菌スプレー義務。
- 会場内、手が触れるもの(手摺り等)には次亜塩素酸による清掃の徹底。
- 持ち帰りオンリー。滞在型イベントではなく、その場で食べるための椅子やテーブルはなし。
- キッチンカーや売店テントが密集しないように、間隔を開けて配置。
- 購入者どうしの距離感を保ちます。店舗前の足元には2m感覚のテープを貼付。
「宣言が終わったらまた飲みに行くよ」
「やまか」とコラボが始まったばかりの2021年2月13日には、焼鳥トサカ(茅ヶ崎市茅ヶ崎)が松林店に出店。スーパーで買い物を済ませた人たちが香りに誘われ、焼鳥や弁当を買う姿が見られました。同店代表の池田直之さんは、1月からキッチンカー販売を開始したばかり。「北茅ヶ崎駅前に店舗を構えているが、緊急事態宣言により、とても厳しい状況となってしまった。何もしないわけにいかなかった」と語ります。
キッチンカーで各地を巡ると「がんばって」「宣言が終わったらまた飲みに行くよ」という声をもらうことも多いそう。「地元の方の応援が励み。当面はこのキッチンカーで乗り越えたいです」と笑顔を見せます。
またやまか松林店の矢島秀信店長は「お客様にもだいぶ浸透してきた。湘南にあるいろんなお店の味を紹介できるのも魅力。スーパーとの相乗効果になれば」とコメント。機動湘南グルメ市場を企画している早坂幸一さんは「再びの緊急事態宣言により、キッチンカーへの需要はまた増えているように思う。引き続き状況に合わせた展開を考えていきたい」と話しています。
機動湘南グルメの出店状況は、フェイスブックページからご確認ください。