コロナ禍でも「終活」は着々と進めておきたいもの。ただ「お葬式場選び」「施設見学」まではなかなかハードルが高いという人も多いのではないでしょうか。
座間市にある株式会社三寳天壽企画が運営する「座間市民聖苑」を隅々までご紹介。また、同社のあまり知られていない災害時の協力体制などについてレポートします。
<目次>
●「座間市民聖苑」を徹底リポート
●災害時にも最前線で活躍~株式会社三寶天壽企画とは~
●各種車両・本社など
「座間市民聖苑」を徹底リポート
まずは「座間市民聖苑」をくまなくレポート。協力してくれたのは座間谷戸山公園の目の前、市役所通りにある座間市民聖苑です。運営する株式会社三寳天壽企画・溝渕信一代表取締役に、式場から私たちが普段見る機会の少ない「裏側」までぐるっと案内をしてもらい、式場の特徴と選ばれる理由についても聞いてきました。
市役所通り、座間谷戸山公園の目の前
「座間市民聖苑」は、座間市役所の道沿いの座間谷戸山公園の目の前にあります。最寄り駅は小田急線相武台前駅で、徒歩15分。建物は落ち着いた橙色と緑色が印象的な建物で地上2階、地下1階です。
開放的な受付フロア
建物に一歩足を踏み入れると、高い天井と大きな窓から光が差し込む開放的な受付フロアが広がっています。木目調と、外壁と統一した落ち着いた橙色の壁で温かみのある雰囲気です。
第一式場
受付フロアに隣接しているのが「第一式場」。座間市民聖苑には「第一」「第二」の二つの式場があり、「第一」では大人数の式に対応できます。床は絨毯がひかれており、落ち着いた雰囲気です。
待合スペース
第一式場に隣接した場所には、待合スペースがあります。ここには、さまざまな絵画が飾られており、まるで美術館のよう。絵画に囲まれながら、落ち着いた雰囲気で過ごすことができます。
第二式場
第一式場の下の階には、第二式場があります。
入口は、建物の北側道路沿いにあります。下の写真の霊柩車が止まっているところが出入り口です。
中に入ってみると、第一式場とは違った趣で、プライベート感のある空間づくりがされています。
近年増加している「家族葬」など、少人数やご家族でお見送りをするときに最適な広さです。
第二式場の横には、ご導師控室があります。
バリアフリー
建物に入る階段にはスロープが設置されているなど、バリアフリーに対応しているのも特徴です。階段には、電動で上り下りできるいすが備わっています。
二次会場
2階には、広い二次会場があります。お清めや法事の集まりなど、多様な目的で使用されているそうです。
仮眠宿泊所
2階には、ご遺族の方や遠方の方が仮眠をとれる部屋も用意。家族には十分な広さの和室です。シャワールームやミニキッチンも用意されています。
ご遺体安置室
建物内には、ご遺体安置室があります。収容数は地域最大級の16体で、この点もご遺族の方に喜ばれているそうです。
葬儀場選びのときには「式場の雰囲気やデザイン」「料金」ばかりに目が行きがちですが、安置室の収容数も確認しておかなければ、いざのときに「ご遺体を安置できない…」ということにもなりかねません。ご家族の負担を減らし、お葬式までの時間を安心して過ごしてもらうため、安置室についてもしっかりと確認して選ぶようにしましょう。
明瞭な安心料金
座間市民聖苑では、明瞭な料金プランが用意されています。
- 火葬式プラン 132,000円(税込価格)~
近年増加している、お通夜・告別式を行わずに斎場で火葬のみを行うご葬儀です。
- 安心低価格プラン 220,000円(税込価格)~
徹底的にムダを省いた安心低価格プランです。家族葬におすすめのプランです。このほか、要望に応じたプランがあります。詳しくは座間市民聖苑までお問合せください。
東京一円、神奈川一円をカバー
座間市民聖苑を運営する株式会社三寳天壽企画は、東京にも支店があります。
東京支店は東邦医大通りに面しており、JR蒲田駅・京急蒲田駅ともに徒歩10分の場所にあります。ご遺体用冷蔵庫が完備されており、24時間営業しています。
これにより、東京、神奈川双方から迅速にサービスが行える体制が整っており、対応エリアも広範囲をカバーしています。
災害時にも最前線で活躍~株式会社三寶天壽企画とは~
座間市民聖苑を運営しているのが株式会社三寶天壽企画。同社は一般的な葬儀社とは異なる側面があります。全国でも類を見ない、「誰一人取り残さない」同社ならではの地域貢献の取り組みを紹介します。
災害時協定を市、座間署と締結
同社は2018年3月、座間市と「災害時における霊きゅう自動車・霊安施設・棺等葬祭用品の供給等に関する協定」を締結しています。
この協定は、災害時に同社が内張り棺や骨壺といった葬祭用品、ドライアイス、霊きゅう自動車、霊安施設を座間市へと供給するもの。霊きゅう自動車は災害遺体搬送のための緊急通行車両等事前届出がされているもので、霊安施設は16体安置可能な冷蔵施設も含んでいます。
同年6月には、座間警察署と「災害時における霊安施設及び霊きゅう自動車の提供に関する協定」も締結しました。
この協定は、座間市内で災害が発生した際、同社が遺体安置のための霊安施設や、搬送のための霊きゅう自動車を同署に提供するというものです。検視・検案業務を迅速に行うねらいがあります。
- 警察署との協定は全国的にも珍しいこと。溝渕代表取締役は「警察、行政と三者で連携してはじめて協定は意味をなします。ご遺族に少しでも思いやりのある引き渡しができれば」と話します。
東日本大震災では、災害犠牲者への対応についての問題が浮き彫りになりました。
震災時に緊急遺体搬送に出動した経験をもつ同社は、災害時に迅速に対応できるよう、本社のある座間市との協定の締結に至りました。
いつ発生してもおかしくない大規模災害に備え、災害犠牲者のことを考えた協定を結んでいるのは、地域貢献、地域密着を実践している葬儀社ならではの取り組みです。このような協定があることで、座間市全体の暮らしやすさ、安心の向上にもつながっています。
各種車両・本社など
災害時、ご遺体の搬送に使用する車両も見学しました。この車両は2体を運ぶことができます。
車内には、災害時必要備品庫も備わっています。
災害時にはいつでも駆け付けられる体制が整っています。
コロナ患者の葬儀も対応
株式会社三寶天壽企画では、新型コロナウイルスで亡くなられた方のご葬儀にも対応しています。プライバシーに加え感染症対策も徹底した中で行う必要があるため、対応する葬儀社は少ないといいますが、溝渕代表は「故人様も、ご家族も大変な思いをされているのを見過ごすことはできません。少しでも安心してお見送りができる環境を整えることが、地域密着の葬儀社としての使命だと感じています」と語ります。
- 座間市民聖苑を利用される他の方のことも考え、現在2室あるご遺体安置室の1つをコロナ専用に変更。葬儀も万全を期して行われています。
本社ビル
本社は、座間市民聖苑の向かいにあります。同じSANPOグループの「社会福祉法人足跡の会」の法人本部もこの建物にあります。
入口には、これまでの功績をたたえる賞状や、協定書の数々が飾られています。
入口入って右手すぐの場所には、事前相談にも使われる応接室がありました。
駐車場~電気自動車スタンドも~
駐車場は座間市民聖苑にほぼ隣接して2か所あります。
第一駐車場は、本社ビルの真横にあります。
第二駐車場も、第一駐車場から歩いて10秒ほどの近距離にあります。
第二駐車場には、電気自動車充電スタンドもありました。このスタンドは誰でも利用することができます。
取材を終えて
今回、溝渕代表の案内のもと座間市民聖苑、そして運営する三寶天壽企画について取材をしました。一般的な「葬儀場」というイメージとは異なる、品があり明るい空間だったことが印象的で、多くの利用者の方が話される「落ち着いて過ごせる」ということを身をもって感じました。
誰もが通る人生の旅立ちですが、その方法は十人十色。きちんとその故人やご家族に寄り添い、思いを叶えられる施設づくりやサービスを行っていることが、座間市民聖苑が選ばれる理由なのだと思います。
全国で類を見ない行政や警察との協定を結んでいることなど、「座間市のために」先進的な取り組みを行っていることも三寶天壽企画の大きな特徴です。超高齢化社会、激甚化する災害、新型コロナ…等、不安が多い現代社会で、溝渕代表が考える「次の一手」は何なのか。今後の動向にも目が離せません。
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