株式会社城ヶ島水産は1967年の創業以来、「〝安心・安全・より良い商品〟をお客様へ」をモットーに、海の恵みを食卓へ届け続けている。原料買付け・加工・物流・販売までを一手に担い、メカジキを中心とした切り身や漬け魚などの水産加工品を製造する。
県の「かながわSDGsパートナー」に登録する同社は、SDGsが提唱される以前から「持続可能な水産資源」とのスローガンを掲げて事業を展開。全社を挙げて自然環境や水産資源の保護などに努め、環境に配慮した漁業を認証する「MSC認証」「CoC認証」を取得しているという。
「事業を続けられるのは、豊かな自然と水産資源があってこそ。食や雇用など全てが連動している」と代表取締役の石橋勝己さん=写真。昨今の水産業界では水産資源減少、水域環境の悪化、水産物需要拡大に伴う漁獲量の増大など、多くの問題が顕在化しており、企業の果たすべき社会的責任について語る。
また、今年3月に竣工した自社の超低温冷凍倉庫では、フロンガスを使用せず空気を冷媒に用いた冷凍システム「パスカルエア」を導入。積極的な設備投資で徹底した品質管理による食の安心安全の実現だけでなく、オゾン層破壊や地球温暖化防止にも寄与する。時折、自身の子や孫の話題に相好を崩しながら、「未来のために今できることをやるだけ」と、石橋社長は意欲を見せた。
2016年には、パートナー企業とインドネシアに現地法人(合弁会社)を設立し、新工場を建設。切り身加工の技術指導や地域雇用の促進、労働環境の整備にも力を入れている。