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【連載・第4回】BREAD N(東海岸北) パンの聖地茅ヶ崎 安全なパンを焼くわけは

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【連載・第4回】BREAD N(東海岸北) パンの聖地茅ヶ崎 安全なパンを焼くわけは

 鉄砲道の道沿い、雄三通りと高砂通りの中間あたりに、BREAD Nという小さなパン屋がある。幟がなければ気がつかないほど、ひっそりとした佇まいだ。

 伊藤智さんがこの店をオープンしたのは2016年8月のこと。店名のNは店主のイニシャルに違いないと思い込んでいたのだが……。

 ともあれ、自慢の熟成バゲットをいただいてみると、外側は固すぎず中はもちっとした食感で、とても食べやすい。「最初はフランス産の小麦を100%使っていましたが、固くなり過ぎるので、いまは80%に抑えています」

 長時間発酵と強めの焼き込みも特徴のひとつ。「熟成バゲットと熟成もっちり食パンの生地は、15時間発酵させています。低温で長時間発酵させると、小麦の甘みが十分に出るんです」

 たっぷりとうまみを引き出された生地をほんの少し長めに焼くことで、自然な甘みをそなえた香ばしいパンに仕上がる。

 一番人気の伊勢原たまごのカスタードクリームパンは、徹底して素材にこだわっている。「伊勢原の卵は黄身の味が抜群。香りのいい大阿蘇牛乳を使っているので、香りつけのためのラム酒は入れていません」

 イースト・フードや乳化剤などの添加物も一切使わない。「だって、子どもにはなるべくいいものを食べさせたいでしょう?」

 BREAD NのNは、実は離別した娘さんのイニシャルだとか。月に数回、おいしくて安全なパンをお腹いっぱい食べさせることが、伊藤さんの目下の喜びだ。

■執筆者プロフィール

山田清機(やまだ・せいき)

ノンフィクション作家。茅ヶ崎市浜須賀在住、57歳。著書に『東京タクシードライバー』『パラアスリート』『寿町のひとびと』など。

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住所

神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-6-17

公開日:2021-07-12

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