0~2歳児(3歳になった年度末まで)を対象とした保育事業。一般的に大人数の保育園が中心ですが、一方で数は少ないながら人気が高いのが定員数名の家庭的保育です。保護者の満足度およそ95%を誇る(2013年こども未来財団調べ)家庭的保育で人気の藤沢市認可家庭的保育「ちゅうりっぷ保育室」をレポートします!
<目次>
◆家庭的保育室とは
◆藤沢市認可家庭的保育室「ちゅうりっぷ保育室」
◆ちゅうりっぷ保育室の特徴
◆子どものころのあこがれを現実に―秋山絵美園長
◆入園希望の方は
施設見学兼ねた「野菜を使った簡単おやつレシピ」10月16日(土)に
家庭的保育とは
家庭的保育は保育者の居宅などで行われる、小規模の異年齢保育です。2010年より児童福祉法に位置づけられた保育事業として、保育所と連携しながら、ともに地域の子どもたちを守り育てる役割を担っています。また、2015年度よりスタートした子ども・子育て支援新制度では、新たに創設される「地域型保育給付」の対象となる地域型保育事業の一つとして、地域に密着した小規模な保育を担っています。少子化が進む状況の中、小規模ならではの子ども一人ひとりにきめ細やかに対応する意義の高まりを受けて人気が上昇しているともいえます。
子ども未来財団の行った家庭的保育の利用者に行った調査によると、「存在を知らなかった」「保育所に入れなかったので利用している」という保護者が大いにもかかわらず、満足度は保育環境が93.9%、保育内容が95.4%、保育者が96%、保育者との関係94.8%高い結果が出ています。ほとんどの保護者が通わせて「良かった」と感じていることの現れです。
藤沢市認可家庭的保育「ちゅうりっぷ保育室」
少人数のメリットいかし子どもを育む。
藤沢市湘南台にある定員5名の小さな保育室。一人ひとり丁寧に向き合える家庭的な保育を実現したい―。秋山絵美園長の思いを受け、2014年に開園したのが「ちゅうりっぷ保育室」です。
0歳~3歳の子どもは、体はもちろんのこと、心が大きく成長する時。好奇心旺盛で、見る、聞く、触れる全てのものから刺激を受けてどんどん吸収していきます。秋山園長は「一人ひとりの興味や関心、発達に合わせて好きな遊びを好きなだけ集中してできる環境を整えています。これは少人数だから叶えられることだと思います」と話します。
また同保育室の「家族のような温かさ」や「地域の皆さんと子どもを育む」姿勢は、保護者以外のたくさんの人と接する中で、他者を理解し、社会性の基礎を作り始めるこの時期の成長に大きく寄与しています。
「家族のような温かさ」
幼いながらも年下の子どもたちの面倒を見る「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」がいて、そこで優しくされた経験が自主的に次の「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」を誕生させる、そんな好循環が保育室の中で生まれています。毎年「5人兄弟のように仲良くすくすくと育っています」と秋山園長。
「地域の皆さんと子どもを育む」
さらに地元の公園で行われる公園体操への参加も心の成長に一役かっています。そこではまさにみんなが小さなアイドル。温かく接してくれる地域の方々から愛情をたっぷりと受けた子どもたちは、今度は自らが愛情を傾けられる優しさを身に着けます。この毎週のイベント参加も目が届き安心できる少人数だからこそできると言えるかもしれません。
さらに給食も食材の産地から調味料、食器までもこだわり自園調理で安全に食べられるよう配慮。子どもたちの健やかで元気な成長はもちろん「安心して預けられる」と評判です。
ちゅうりっぷ保育室の特徴
- 4名以上の園児に対して、常に2名以上で保育を行っています。
- 自園調理による給食を提供しており、食材の産地や無添加調味料・減塩にもこだわっています。
- 公園遊びや毎週金曜日の公園体操等で、地域の子どもやシニアとの交流を図っています。
- 土曜日の休園や保育時間の関係から、他の認可園の11分の8の保育料となります。
- 他の認可保育園の行事に参加しています。(連携園:しぶやがはら保育園)
- 年2回の健康診断を実施しています。(嘱託医:あかちゃんこどもクリニック)
子どものころのあこがれを現実に―秋山絵美園長
保育室を作ったきっかけは、小学生の頃、保育ママをしていた友人の母親の姿が「天使のように素敵だった」と感じたこと。上場企業の役員秘書や保育園スタッフ、学習塾経営をしたのち、やはりあの頃の「あこがれを現実のものにしたい」と猛勉強。資格を取得し、念願を叶えました。
開設から早7年。「子どもたちの成長が楽しい」と秋山園長。また、何よりうれしいのがこれまで巣立っていった子どもたちが遊びにきてくれること。「呼ばれて窓を開けたら卒園した子がいて」というのは日常のできごと。子どもたちだけでなく、保護者からの相談もあり、頼りにされる存在です。
加えて9月には保護者向けの専門家による「アンガーマネジメント」の講座を実施しました。「コロナ禍のストレスもあり、保護者に気分転換する時間を持ってもらいたい」。そんな動機から生まれた企画で、参加者からも「ためになった」「気が楽になった」などと好評でした。
実家が地方にあることも少なくない藤沢市民。秋山園長は少人数であるメリットを最大限生かし「親子ともども第2の実家と思ってくれるようにこれからも頑張っていきます」と力強く語ってくれました。
施設見学兼ねた「野菜を使った簡単おやつレシピ」10月16日(土)に
保育園探しを検討している家族を対象に10月16日(土)、来年度入園の施設見学会を兼ねた栄養士による『野菜を使った簡単おやつレシピ』と題したイベントを開催します。時間は午前9時30分から11時30分。参加無料。限定5組で予約制。
講師は料理アプリへのメニュー提供など「おうちレシピ」で話題の脇田朋子さん。脇田さんは同保育室の栄養士としても活躍中。今回は、簡単に作れて子どもたちが喜ぶレシピを教えてくれます。「楽しく覚えて、保育室の温かさを感じてもらえたら」と秋山園長。
入園希望の方は
藤沢市認可の家庭的保育の申し込みには、事前の見学が必要です。同保育室では今回のイベントのほか、見学を随時受け付けています。なお、来年度の募集は4名。詳細、問い合わせはお気軽に。