大役がまわってきた。現在放送中のNHK大河ドラマの世界観を楽しめる「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」が、鶴岡八幡宮境内の鎌倉文華館・鶴岡ミュージアムにオープン。その館長として、運営を司る。
「人の楽しさ」を創造
○…旅行会社の近畿日本ツーリスト(株)の社員でもある。ドラマ館運営を同社と(株)JTBによる共同事業体で受託。横浜支店にいた昨年、突如として館長就任の打診が会社からあった。「こんな大役を私が?」。その時の驚きを笑いながら振り返る。1日熟考。妻から「この歳になって新しいことをやるのは大変でしょ。今のままの方が楽なんじゃない」と助言はあったが、鎌倉入りを決断した。「不安だらけでしたが、最後にいい機会を与えてもらえたと思えるようになったんです」
○…横浜生まれ。中学は卓球部、高校ではフォークソング部に入ってロックバンドを結成し、ギターで文化祭を盛り上げた。この頃から旅にも興味を持ち始め、高校生で千葉へ1人旅に出かけたり、大学生になってからは北海道や九州を自転車で周遊したり。「好きな旅行が仕事になれば」との思い通り旅行会社へ就職。添乗員を担当したツアー客から「ありがとう、楽しかったよ」という言葉が何よりの喜びとなった。息抜きはテニス。社会人になって始め、今では市民大会に出場するほどだ。
ドラマ館は楽しめる
○…「ドラマ館は楽しめますか?」。この問いに、即答。「はい、楽しめます。最先端の技術も導入され、見るだけでなく、体験・体感型の施設になっている。ぜひ多くの方に来ていただき、魅力を感じていただければ」と語る。妻も来る予定。忙しい日々は続きそうだが、来館者からまたこの言葉を聞くためなら構わない。「ありがとう、楽しかったよ」