はるひ野町内会(杉本秀治会長)は3月27日(日)、町内全体を会場にガレージセールのように参加者が軒先で出店する新しいイベント「はるひ野縁日」を開催する。コロナ下で密にならず、関係者の負担が少ない企画を模索する中で考案した町内散歩型のイベントだ。
「縁を結ぶ日曜日」「ご近所との縁をつなぐ日」にしようと、同町内会イベント部が企画した新しいイベント「はるひ野縁日」。戸建ては駐車スペースを、集合住宅は公園を使って、手芸品やサークルの紹介、古着販売など約20店が住民の自由な発想で出店し、町内を会場に歩いて回るイベントだ。時間は午前11時から午後3時まで。出店は、災害時に使う黄色の安否旗を掲げている世帯が目印。「町内を散策しながら、各軒先を訪ねて楽しんでほしい」と同部会長の中村隆太さん(40)は話す。
オンラインを使った総会や、メール・LINEを使った回覧板といった新しい取り組みを進めている同町内会。イベント部会では例年、秋祭りをはじめ、ドッジボール大会など、住民同士の交流を目的としたさまざまなイベントを企画してきた。新型コロナの感染拡大を受け、ここ2年イベントを見合わせる中、何か企画しようと、昨夏、町内会内でLINEによるアンケートを実施。従来通りのほかに、「シニア同士のつながりがなくなった」「コロナ下で集まることに抵抗がある」という回答があり、年齢を問わず、密にならないものをと考案したのが今回のイベントだった。
「庭や駐車場で世帯ごとに出店してもらうガレージセール風のものであれば、いろいろなニーズに応えられると思って」と同部会で発案者の藤田智成さん(55)。出店希望者もメールなどを使って集計。当日の会場マップはURLで配信する予定(出店先で紙も配布)で、準備の手間もコストもかからず、直前まで状況を見ながら、開催可否を判断できるのも今回のイベントの特徴だという。「IT化が進んでいる、この町内会ならではの取り組み。ありそうでなかったイベントでは」と藤田さん。「隣の世帯と一緒に出店したり、散策しながら対話することでつながりができる。ぜひ町内を歩いてみてほしい」と中村さんは期待を寄せる。