- 我が子は親に対してすぐにキレるし、話しも聞いてくれない。「反抗期だから、仕方ないか」と諦めていませんか ーー。
「反抗期と『キレる』は全く異なる現象。反抗期は精神的な成長の過程であるが、『キレる』のはストレスなど大きな問題を抱えているということ。親と子の関係性を見直す必要がある」と警笛を鳴らすのは、NPO法人青少年育成開発協会代表で精神保健福祉士、スクールカウンセラーでもある山本弘明さんです。
社会問題としての「キレる子ども」
2000年代になって「キレる子ども」が社会問題として扱われ始めてきました。当初は精神疾患と関連付ける見方もありましたが、近年では「普通の子」に見える子にも増加していると言います。文科省が小中高生を対象に毎年行っている調査でも近年、「暴力行為」は増加しており、特に低年齢化していることが顕著となっています。
山本さんは「子どもがキレる原因は家庭内にある。特に夫婦仲が大きい」ときっぱり。親のス トレスは子どものストレスに直結し、抑圧された感情が爆発しやすくなります。また子どもの前での夫婦げんかは、子どもにキレる姿を手本と見せていることになります。
「小中校生の親となる40代は何かと忙しい世代。子どもと向き合っているようできちんと時間をかけて丁寧に向き合っていないことが多い。原因が親側にあることを認識していない人が多い」と指摘します。
保護者向けセミナー開催
山本さんは、中高生の保護者を対象とした「すぐにキレる子、話を聞かない子の接し方セミナー」を開催しています。子どもとの上手な接し方を指南してくれるほか、言ってはいけない言葉やストレス解消法、脳の仕組みなどを語っています。
「子どもの成長とともに、家庭も成長することが必要。人は自分の話を聞いてくれる人を好きになるもの。親の立場になるとつい意見を押し付けてしまう。子どもの話ときちんと向き合っていますか」と呼びかけている。
- セミナーは毎月開催中。日程や内容はホームページをご覧ください。 https://www.ygs-school.co.jp/publics/index/104/