横浜市の西端に位置する瀬谷区。区内北部には旧上瀬谷通信施設や市民の森が広がり、また、境川や和泉川など計5本の川が流れるなど水の恵みも豊かな街です。
区民団体「楽竹会」(畑武士理事長)は自然環境を守り、次世代に継承すべく活動中。創立20周年の節目を迎える団体の歩みや取り組み、今後の目標をお聞きしました。
第二の人生を謳歌したい!
発足は2002年で、当時の会員数は11人。定年退職を迎えた人々が、現役時代の知見や経験を、自然環境保護に活かそうと結成したのが始まりです。
「自然を若い世代に引き継ぎながら、第二の人生を謳歌したい」ー。
初代理事長の奈良部岩次さんは、発足当時の理念を振り返ります。
05年にはNPO法人化。10年に「あしたのまち・くらしづくり活動賞」を、17年に横浜環境活動賞を受賞するなど、その活動は高く評価されています。
多様な取り組みで地域貢献
奈良部さんによると、ジャンルを越えた幅広い活動が同会の特徴。これまでに…
- オリジナル楽器「竹琴太鼓」を用いた高齢者福祉施設での訪問演奏
- ひょうたんや竹工作などを活用した、小中高生対象の学習支援
などに取り組んできたそうです。
荒廃竹林の整備に注力
活動の柱が、荒廃竹林の整備事業。竹林の伐採や炭焼きのほか、竹炭や工芸作品を制作しています。粉砕機でチップ状にした竹と腐葉土を使い、土壌改良にも取り組んできました。
活動拠点は、瀬谷区南部の「窯場」。この場所は、土地の持ち主である相原さんのご厚意から借りており、手作りの焼き釜や燻煙処理窯があり、これだけの設備を持つ団体は珍しいそう。「相原さんのご協力があってこそ。感謝の想いしかありません」と奈良部さんは説明します。
「2030SDGs探訪の会」に参画し、養蜂事業に注力
同会が今、注力しているのが二ホンミツバチの養蜂。同会を始めとして様々な自然環境保護団体の有志が参画し、市長への要望なども精力的に行う「2030SDGs探訪の会」の活動の一環として、養蜂事業に取り組んでいます。
高齢でも負担が少なく始められるのが養蜂の魅力だそうで、現在は区内6カ所に16個の巣箱を設置。畑さんは「二ホンミツバチを巣箱に定着させるのは難しいけれど、楽しいところでもある」と語り、蜜を収穫できる日を楽しみにしています。
NPO法人として一区切り、新展開へ
発足20年の今年、同会は「NPO法人」としての活動に一区切りを付けました。
「今後は新たな視点に立って活動を推進していきたい」と奈良部さん。NPO法人として培った自主性や先見性、多様性などを生かしながら、新しい展開を模索していくそうです。