教育にエンターテインメントを掛け合わせ社会問題を啓発しているNPO法人SoELa(ソエラ)(岡部佳文代表理事・本部川崎市)がこのほど、函嶺白百合学園(箱根町強羅)と連携して相模湾の食物連鎖や自然環境などを学べるトレーディングカードゲームを製作した。
同法人は、2008年に慶應義塾大学生が考案した「地球環境カードゲームマイアース」を用いた教育事業を展開。20年度からは、地域の生態系をカードゲーム化して、遊びながら学べる教育コンテンツの普及に力を入れている。相模湾は、多摩川や箱根に続く3例目だ。
今年4月にプロジェクトが発足。小田原市や箱根町などの協力も得ながら進めてきた。函嶺白百合学園の生徒はカードの解説文の作成を担当。生徒会の中高生11人が文献を調べ、学芸員にアドバイスをもらうなどして相模湾の生態系調査を行った。蒲鉾の原料となるギスという魚やソデイカのカードが登場するなど、地域色あふれる内容となっている。瀧澤美月さん(高校2年)は「食物連鎖のつながりは単純ではないので、みんなで話し合って決めた」と話す。
クラファンで商品化
ゲーム商品化を計画するにあたり同法人は、3月末から5月にかけてクラウドファンディングを実施。期限終了約30分前に目標額120万円を達成した。調達した資金でゲームを1000セット製作。鈴廣かまぼこの里などで9月頃から販売(1870円)予定で、売り上げの一部は環境活動を行う市民団体などに寄付するという。プロジェクトリーダーを務めた日本大学の平田しずくさんは「一番遊んでほしいのは小中学生。学校を訪問し体験会を開きたい」と意欲を見せる。
大学生を中心としたプロジェクトメンバーは今年、おだわら市民交流センターUMECOほかで月2、3回程度無料体験会を予定。日程などの詳細はツイッター「@NPO_MyEarth」。