防災や減災の普及・啓発を図るイベント「横浜防災フェア2022」が8月26日と27日に横浜市庁舎1階のイベントスペース・アトリウムで開かれました。横浜市総務局危機管理室や横浜市消防局、神奈川県警察、海上保安庁、自衛隊など全12のブースが出展し、災害時や防災・減災に役立つ情報が勢ぞろい!記者がイベントに潜入し、その様子をご紹介します。
「水災害体験装置」で恐ろしさを体感
晴天の27日、記者が横浜市庁舎を訪れると入り口付近で、何やら水の中を歩いている親子を発見。近寄ってみると、水圧の威力や冠水路の歩行を体験できる装置で、水災害の恐ろしさを体感するブースとのこと。「ぜひ体験してみてください!」と声をかけてもらったので、挑戦してみました!
この装置は「水災害体験装置」といい、集中豪雨などで住宅地や地下街が浸水した時の、扉にかかる水圧や冠水した道路の歩行の難しさが体験できます。
2022年4月に横浜市神奈川区沢渡にある横浜市民防災センターに新たに導入されました。横浜防災フェアでより多くの人に体験してもらおうと今回、出張したそうです。
体験内容の説明を受け、胴長(胸まで濡れない長靴)とヘルメット、軍手を着けて、いざ体験!
まずは浸水時の扉にかかる水圧の体験です。水深30cmで約35kg、40cmで約65kg、50cmでは約100 kgの水圧がかかるそう。記者は水深40cmから挑戦しました。「あれ、開かない?開く気配もない…」。水位を30cmに下げてもらい再び挑戦するも少し隙間が開きましたが、完全に開けることはできませんでした。
- 水位が上がれば上がるほど、扉が開かなくなることを体感し、早期避難の大切さを学びました。
冠水路の歩行体験も
豪雨で道路が冠水した状態を再現した歩行体験もしました。水流に逆らった方向に歩くのは歩きにくさがあり、方向転換しようと水流に対し横向きになると、より強い水圧が!水流に沿い歩こうとすると、後方から押され、足をとられ転びそうになりました。
- 子どもや高齢者は特に注意が必要ですね。実際の災害時は、濁った水で足元が見えず、漂流物や蓋の開いたマンホールがあるかもしれません。体験を終えた方たちも「こうなる前に安全な場所に避難しておかないとダメなんだなと思いました」と話していました。
思わず聞き入っちゃう。横浜市消防音楽隊のステージ
横浜防災フェアの目玉イベント、横浜市消防音楽隊のステージも圧巻でした!開始時間が近づいてくると、みるみる座席が埋まり満席に。2階からカメラを構えて観覧している人もいらっしゃいました。
1曲目はビートルズの『オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ』。会場にいる皆さんが耳を傾けます。その後、ゆずの『夏色』やフィンガー5の『学園天国』と続き、横浜市消防局、海上保安庁、自衛隊のマスコットキャラクターも3体登場。観客たちが手拍子をしながら、演奏を楽しむ姿が見られました。曲の合間にはクイズを交えながら熱中症の注意が呼び掛けられました。
知ってる?横浜市避難ナビ
消防音楽隊の演奏も終わり、ブース巡りを開始。災害の備えや避難に役立つアプリ「横浜市避難ナビ」の紹介や、個々の避難行動計画「マイ・タイムライン」の作成を呼びかけている、横浜市総務局地域防災課のブースに目が止まりました。
横浜市避難ナビは、産官学が連携し作成した災害時の避難行動を一体的に支援する全国初のアプリ。スマートフォン上でAR(拡張現実)による浸水疑似体験や、ハザードマップの確認、マイ・タイムラインの作成が可能で、災害時にはマイ・タイムラインと連動した避難情報が通知されます。地図アプリとも連動しているので、今いる場所から避難場所までのルートを検索することもできます。
便利で使いやすく、防災・減災に役立つアプリですが、認知度はまだまだ低いそう。ブースを訪れる人たちも「知らなかった」という人や、「アプリはインストールしているけれど、使い方が分からない」という人など様々。担当の職員さんたちは「まずは市民の皆さんにアプリの存在を知ってもらいたい。いざという時の備えに生かしてもらえれば」と話していました。
横浜市避難ナビは各アプリストアからインストールできます。
※ダウンロード無料(アプリの利用にかかる通信料等は利用者負担となります)
【iOS版】ダウンロードリンク(外部サイト)
【Android版】ダウンロードリンク(外部サイト)
海保、陸自、県警などのブースも。著名人も多数登場!
防災フェアの主催は横浜市と株式会社アール・エフ・ラジオ日本のため、番組の公開収録も行われました。著名人は、シンガーソングライターの奥﨑海斗さん、歌手の山本リンダさんや三丘翔太さん、タブレット純さん 、アイドルグループ・NMB48の元メンバーでタレントの三田麻央さんらが登場し、会場を盛り上げました。