「一緒に『第九』を歌いませんか」―。南区内のコーラス愛好家らによる「横浜みなみ合唱団」が南区制80周年を迎える2023年にベートーベンの「交響曲第9番(第九)」を歌う仲間を募っている。これまで南区内に第九を歌うための合唱団がなかったことから作られたもので、関係者は「幅広い世代の人に参加してほしい」と呼び掛ける。
「第九」はベートーベンが作曲した交響曲。日本では年末に大人数の合唱団によって歌われることが多い。横浜市内では港北区や栄区、泉区などの地域で区民を中心に第九を歌うための合唱団が存在している。
中学校の音楽教諭や県立青少年センターの音楽指導職員を経験し、南区内で1999年に合唱団「ロンド」を創設した木村茂雄さんによると「南区に第九をメインに歌う合唱団はなかった」という。23年12月に区制80周年を迎えることから「第九を歌い、80周年を盛り上げたい」と考え、木村さんを団長とする「横浜みなみ合唱団」を今年2月に設立した。
来秋公演へ
計画では来年秋に県立音楽堂=西区=でオーケストラが演奏する中で第九を歌う公演を行う。第九はドイツ語で歌われることが多いが、同合唱団は、なかにし礼さんが訳した日本語で歌う。
南区では以前からコーラス活動が盛んで、現在も20以上の団体が「南区コーラス団体連絡会」を組織し、連絡会としてのコンサートを毎年開くなど、団体間の連携が図られている。木村さんらが各団体に呼び掛けて入団希望者が集まり、現在のメンバーは約40人。月2回。吉野町市民プラザで練習している。
日本語で歌う
8月26日の練習では、木村さんが指揮をする中、約3時間、第九などを歌った。団員の一人は「日本語なら第九も難しくない」という。
大人数で歌う迫力が第九の魅力の一つだけに、木村さんは「できれば80人くらいで歌えれば」と話す。また、現在の男性メンバーは5人だけで、各パートのバランスを考えると、もっと人数がほしいという。
本番まで約1年。それまでに数回、発表の機会を設ける予定。木村さんは「日本語の第九は親しみやすく、難しくない。これから入団して練習すれば十分に歌える」と話し、節目の年を祝う仲間を募っている。会費は月1千円。問い合わせは木村さんまで。