高津区内・坂戸にある国内最大級の開発施設「かながわサイエンスパーク」(KSP)で建設業を営む「アップコン株式会社」(松藤展和代表取締役)が、自社の技術を用いた地域貢献策を打ち出している。
建物構造物の「無料調査」~10月31日まで
防災月間(9月)にちなみ同社が行っているのは建物構造物の「無料調査」。これは川崎市内外にある「物流倉庫」「工場」「店舗」を対象に、地震や地盤沈下などで傾いてしまったこれら建物のコンクリート床の歪みを費用負担なく調査する、というもの。期間は10月31日(月)まで(詳細問合せ等は【電話】0800・123・0120)。
通常は有料の現地調査を無料で行うことについて担当者は「現場では『床レベル測量』『空隙や空洞の調査・振動』について、しっかり調査を行います。倉庫や工場、店舗で床の傾きや段差等がある場合、事業に支障がでる可能性があるので、この機会に無料調査を検討してもらえれば」と話し、広く利用を呼び掛けている。
独自の工法で脚光
同社は、地震や地盤沈下などが原因で建物の床が傾いたり、たわんだりしてしまった場合に「ウレタン樹脂」を素材を地中に注入し、その発泡圧力で建物を壊すことなく修正する「アップコン工法」などで社会に貢献している(※社名の由来はコンクリート床を持ち上げる=アップコン)。
こうした床面トラブルについて、一般的な従来までの工法ではコンクリートを全面的に打ち替えなければならず費用面等で大きな負担があったが、同社の工法により工期も約10分の1に短縮するなど大幅な改善に成功。工場や店舗であれば操業(営業)を休まずに施工を完了する事ができるため、各方面から注目を集めている=技術詳細は下記イラスト参照=。

「アップコン工法」による沈下した床の修正イメージ(同社提供資料)
なお今回の無料調査の対象には含まれないが、一般的な住宅の調査、施工なども行っている。