神奈川県西部の豊かな自然に囲まれた平坦な土地にある開成町。県内で最も面積が小さい町ですが、小田急小田原線「開成駅」からの交通アクセスの良さや、駅周辺で続いたマンション建設などの影響で、2020年の国勢調査によると人口増加率で県内1位を記録。移住先として人気を集めており、特に若い子育て世帯の転入が多いのが特徴です。
「企業版ふるさと納税」と「ふるさと納税」ちがいは何?
開成町では2022年4月、「企業版ふるさと納税」制度を導入しました。同年11月、「町の事業を応援したい」という企業から、この制度を利用した第1号となる寄附がありました。
企業版ふるさと納税の町第1号となったのは中栄信用金庫(北村圭一理事長=写真右)。100万円の寄附がありました。
でも「企業版ふるさと納税」って、個人で行う「ふるさと納税」とどう違うんだろう?利用するとどんなメリットがあるんだろう?開成町企画政策課の職員に詳しく聞いてみました。
町が取り組む地方創生の事業を応援!
開成町によると、企業版ふるさと納税とは「地方創生応援税制」のこと。国から認定された町の地方創生プロジェクトに寄附をした企業が、法人関係税の税額控除を受けることができる仕組みです。
- ポイント 注目すべき特徴は、その控除割合の大きさ。通常、企業が自治体に寄附した場合、国税と地方税について計約3割の控除を受けられます。一方、企業版ふるさと納税による寄附の場合、さらに法人関係税が最大約6割も控除されるため、全体でみると最大約9割もの税の軽減効果があります。
ということは、企業の負担は実質約1割まで圧縮できるのです!
利用にはいくつか条件があるので要チェック
- 1回あたり10万円以上の寄附が必要
- 寄付の代償として、経済的な利益は受け取れない(個人で行うふるさと納税とは違い、返礼品などを得られるものではありません)
- 本社が開成町内にある企業は対象外
開成町のどんな事業に寄附できるの?
ところで、開成町ではどんな取り組みに対して「企業版ふるさと納税」を通じた寄附ができるのでしょう?対象となるのは、以下の4つの分野です。
①住みたい・住み続けたい・訪れたいと思える”まち”を創造する事業
開成町ならではの魅力的な観光・交流拠点づくりの促進などを進める事業です。
開成町内にある築300年の古民家「あしがり郷 瀬戸屋敷」を活用した交流の促進をはじめ、自転車を活用による周遊観光の促進、あじさいまつりや阿波踊りなどのイベントの充実化を図ります。
②次代の社会を担う子どもたちを育む”まち”を創造する事業
妊婦や乳幼児を育てている人への一貫した母子保健サービスや、不妊治療などへの支援のほか、町内の子育て支援センターの機能の充実化などを図る取り組みです。
③安定した雇用を創出する”まち”を創造する事業
みなみ地区の工業専用地域を中心とした町内への企業誘致のほか、民間事業者と連携した町内での創業支援などを促進する事業。地場農産物のブランド化の推進など、農業の活性化も図り、安定した雇用創出につなげる取り組みです。
④安全・安心・快適に暮らせる”まち”を創造する事業
町民の健康長寿を支えるまちづくりを推進するため、スポーツ活動の充実化や未病改善、生きがいづくりなどを通じ、子どもから高齢者まで誰もが生き生きと活躍できるまちを目指す取り組みです。また、地域の消防体制の強化や、防犯活動の促進も図ります。
開成町に寄附してみたい!でもどうすればいいの?
企業版ふるさと納税の手続きは簡単。「寄附申出書」を以下開成町のホームページからをダウンロードすることからスタート!
開成町ホームページ
その後の手続きの流れはこちら
①「寄附申出書」を提出する。
②寄附金を納入する。(納入後に受領証が交付されます)
③受領証を添付して、税の申告をする。
開成町を応援して、賢く節税対策を
開成町の職員は「企業版ふるさと納税は、企業が町に寄附しやすくなる制度。多くの企業に関心を高めてもらえるよう、今後も魅力的なプロジェクトを立ち上げていきたい。eスポーツ大会の開催など、町内で面白いイベントを開くことにもつなげたい」と話しています。
これからも「移住したい町」「暮らしやすい町」として注目を集め続けるであろう開成町。企業経営者の皆さま、「企業版ふるさと納税」で開成町の取り組みを応援しながら、賢く節税対策してみてはいかがでしょうか?