千人町にある宗格院(浦野信幸住職)の牡丹が、見頃を迎えた。境内には約140株の牡丹が植栽されており、毎年4月上旬に咲き始める。品種により開花時期が異なるが、おおむね4月いっぱいまで楽しめる。
「牡丹のお寺」
立てば芍薬、座れば牡丹–の例えで知られる牡丹は、その風格と気品から「花の王様」とも呼ばれる。同院では十数年前、浦野住職の知人で趣味で牡丹を研究していた板倉正弘さんの提案で前庭に牡丹を植栽したことをきっかけに徐々に種類を増やしていき、ここまでの数になった。いつしか「牡丹のお寺」として評判になり、開花時期には2千人から3千人が観賞に訪れる。
十数年にわたり同院の牡丹を管理する板倉さんは「愛情をもって接すると牡丹も喜んで、きれいに咲いてくれる」と目を細める。雨の日の翌日などは、愛用の自転車を飛ばして牡丹の様子を見に来ることもある。
毎年の観賞を楽しみにしている「常連」も多く、来場者が記入するメッセージノートには「板倉さんの日々のお手入れのおかげで、今年もきれいな牡丹を見ることができました」と感謝の声も少なくない。「こうして皆さんが見に来てくれて、喜んでもらえることがうれしい」
珍しい品種も
赤やピンク、紫、白など色とりどりの牡丹が咲き誇る境内。「酔顔」「秋篠宮誉」など1株ごとに名札が添えられており、板倉さんが来場者に花の特徴や名前の由来などを説明する。「早咲きの『まりも』は、黄緑から白へとだんだんと色が変わる珍しい牡丹。5月中旬まで長持ちするので、ぜひ見に来てください」とほほ笑む。
4月13日の昼下がりに市外から友人と観賞に訪れた女性は「いろいろな種類を見ることができてうれしい。また来年も来ます」と笑顔を浮かべていた。この日は150人を超える人が同院に足を運んだ。
見学自由で午前9時から午後5時まで。問い合わせは宗格院【電話】042・661・0960。
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