台風や地震などの自然災害から、強盗や特殊詐欺など高齢者を狙う犯罪など、予期せぬ出来事「リスク」が世にあふれている昨今。安心した生活を送るには住み慣れた地域での「サポーター」が必要です。そこでお勧めしたいのが、地元業者を無料でコーディネートしてくれる相談窓口「オーケストライフ」。同所について、地域新聞記者が取材してきました。
このレポートではワンストップ相談窓口「くらしと住まいの丸ごと安心サポートセンター オーケストライフ戸塚・泉・栄」のサービスを紹介。運営する一般社団法人の清水理事長を中心に、以下3点をインタビューし、その魅力に迫りました。
- オーケストライフの仕組み
- 具体的な悩み・たとえばこんなこと
- 顔の見える安心感、メンバー紹介
<目次>
◎オーケストライフの仕組みって?
◎設立の経緯は福祉関係者からの要望
◎具体的にどんな悩みを解決するのか
◎新サービス「ばえる庭づくり・庭びらき・庭じまい」
◎顔の見える安心感
オーケストライフの仕組みって?
地元業者が集結、司法書士法人が調整役となり、くらし・すまいの専門家へと迅速に繋げるシステムのこと
あらゆる相談事にワンストップで対応してくれる「オーケストライフ」。
運営するのは、2020年に法人格を取得した「一般社団法人オーケストライフ」。理事長の清水敏博さんに仕組みについて聞いたところ、以下の回答でした。
- 相談窓口に電話かメールで連絡をすると、解決したい悩みにあわせて信頼できる地元業者をコーディネート
- 無料で専門家による初回対応を実施(電話・現地)
- 見積もり提示後に、有償で対応
地域の多種多様な業種がタッグを組み、リフォーム、清掃・家事代行、防犯、車の修理などのほか、不動産、相続・遺言、成年後見、老後生活・終活まで「まるごと」解決できるのが一番の強みだそうです。
清水さんが解説「オーケストライフとは」
理事長の清水さんが代表を務める司法書士法人が調整役となり、多様な相談事を「顔の見える」地元業者へと円滑に繋げることでさまざまな問題を解決しています。
Q. どんなお問い合わせがありますか?
「すまいの相談で多いのが、家の補修や修理、リフォームなどです。
例えば水漏れトラブルのご相談があったときに漏水箇所を探し出し、補修をするだけでは不十分な場合もあります。単純に給水管やホースの劣化が原因ではなく、住宅の構造に目を向け根本的な問題に対処する必要もでてきます。
そんな時に求められるのが、複数の専門業者が連携して対応することです。
オーケストライフメンバー同士がそれぞれの専門性を理解していますので、別のメンバーと一緒にチームで問題解決するようにしています。
お客様からは『最初の担当者さんが中心となって、複数の業者さんを手配してくれるから手間がかからない。他の人につないで終わりではなく、施工管理もきちんとやってもらえるから、示されたとおりのスケジュールでスムーズに完了して安心だった』とお褒めの言葉をいただくことが多いです」
Q.最近多いご相談は?
「ここ最近は「他の業者への不信感」からオーケストライフにセカンドオピニオンを求めるケースも増えています。『数社から見積もりをとったのはいいが金額にバラつきがある。どのように判断したらいいか』、『設備の欠陥を指摘され工事を勧められたけれど、本当に必要なのかわからない』などのお悩みです。
本来は数万円程度の簡易な修理に数十万~100万円超の高額請求をされるなど被害に遭う方々の相談も絶えません。中立公正な第三者として、プロとしての見解をお伝えすることもオーケストライフの使命です。
また、オーケストライフがお客様にかかわる場合は、プロの視点から工事の必要がないと判断した際にはその旨をしっかりお伝えすることを心がけています。
一方、お客様は気づいていらっしゃらないけれども、建物の構造にかかわる重大なことや、先延ばしにすることで他の設備に支障をきたすような絶対的に必要な工事についてはしっかりアドバイスをさせていただています」
Q.アドバイスの上でお客様と相談していくのですね。
「この考え方はくらしの相談を担当しているメンバーにも共通しています。お客様にとって何がベストな選択なのかを常に考える。そして目の前の問題を、全体的かつ将来的な視野を取り入れながらアドバイス・解決策を提示します。
オーケストライフには親の代からの家業を継ぎ、半世紀以上にわたってお客様のくらしに携わるメンバーもいます。オーケストライフを知っていただいてからは、自身の専門の住まいの工事だけではなく、例えば家族関係の悩みや不動産問題、相続のことなど幅広く相談されることも増えているそうです。
ひとりひとりのお客様に真摯に向き合ってきたからこそ、信頼に足る人間であると認めてもらっている証だとメンバーのことを誇らしく思います」
設立の経緯は?
地域にあるようでなかった新しい取り組み「オーケストライフ」ですが、発起人となったのは2001年設立「一般社団法人LTRコンサルティングパートナーズ」。弁護士や税理士、司法書士、行政書士など、11の士業から構成されるプロ集団のことです。
LTRの代表も務める清水さんは「目の前の問題解決だけではなく、未来のくらしを思い描きながらトラブルに遭わないよう、“リスクに備える・リスク予防”に力を入れてきました」と語ります。
しかし、多方面にわたるくらしや住まいの問題で、法務や税務などの専門家・士業ができることはごくわずかだったといいます。
ケアマネジャーの要望が発端
アイデアの発端は、介護支援専門員のケアマネジャーなど、福祉関係者からの要望でした。
司法書士法人の代表でもある清水さんは、成年後見人として障がいのある方や認知症の方の生活をサポートしており、社会福祉協議会、ケアプラザなど行政や福祉関係者などとの幅広いネットワークを築いてきました。その中で「福祉や法律的な支援だけでは解決できないさまざまな問題を抱えている人がいる」と伝えられたそうです。
「支援者の皆さんが本来の業務に専念できるよう、何とか協力できないか…。そこで意気投合したのが、地元業者の皆さんでした」。清水さんはこう振り返ります。
「地元密着のサービスだからこそ、もっとお客様のために」
清水さんは開業から20年以上、戸塚法人会や戸塚泉栄工業会、商店街などの理事を引き受け、たえず地域とのつながりを大切にしてきました。その中で出会った地元業者の人たちが、同じように「自分たちの専門を越えて、もっとお客様のために考え、動きたい」という思いがあったことを知り、コラボすることを提案。
そして2016年、LTRと地域の異業種による情報交換や新サービスの創出を目的とした「こらぼ会」がスタート。隔月で開催している「こらぼ会」は、2023年5月時点で38回目を迎え、企業、福祉、NPOなど業種を問わず地域で活躍している人たちの交流の場となっています。これがオーケストライフの前身でした。
2018年に「オーケストライフ」の活動を開始し、2020年には一般社団法人として法人化。メンバーそれぞれが持つ強み(技術、知識、経験など)を活かし、個々のお客様のくらし・住まいのお悩みをワンストップで解決することで、こころ豊かで安心なくらしをお届けしています。
加えて、ケアプラザなどの講座の講師を引き受け専門知識や技能を伝えるなど、“より良い地域を創るために、今、自分たちのできること”をモットーに各メンバーが地域貢献活動に取り組んでいます。
具体的にどんな悩みを解決するのか
ユニークなのは、司法書士法人が困りごとの内容に合わせて、適切な地元業者をコーディネートし、業者とともにお悩み解決してくれる点にあります。
たとえば「空き家を処分したい」という相談には、不動産だけではなく法律や家族間の問題など、解決すべき課題が無数に発生してきます。考えるだけでも億劫に…。
そうしたときに無料の相談窓口オーケストライフへ連絡すれば「いま抱えている問題はなんなのか」といった「自分でも気づけなかった」部分まで丁寧に拾い上げ、回答してくれるのが嬉しい点です。
相談が多いのは水回りなどのリフォーム
コロナ禍を経て相談件数が増えているのが、水回りやドアのリフォーム関連。
外壁や屋根の修繕・塗装に加えて、生前整理や老後の法律・税務相談などを「まるごと解決」したい人が後を絶たないと清水さんは言います。
今回はある一件のリフォームから始まった事例をご紹介…
70代女性・Tさんは、年齢とともに弱くなってしまった足腰のために、自宅に手すりをつけるためにオーケストライフへすまいの相談をしました。
リフォームは無事に完了し、自宅での歩行が楽に。転倒の心配も軽減されました。しかし、手すりを設置したことで「かえって身体の衰えを実感し、先々のことが不安になってしまった」と再度オーケストライフに連絡をしました。
“リフォーム・修理担当者”が話を聞くと「一軒家にこのまま住み続けることへの不安があった。一方で老人ホームへの入居もまだ踏み切れない…」と話し、Tさんがくらしに関する悩みを抱えていることがわかりました。その際は「迷っているのであれば今は情報収集だけにとどめておいて、結論を急ぐことはない」と提案。後日改めて、オーケストライフから“住み替え担当者”を紹介しました。
Tさんは担当者に「実は、昔からショッピングなど外出好き。今は中心部から遠くタクシーを使う頻度が増えて不便」と打ち明けました。その想いを受けて、担当者は「駅付近の介護サービス付き高齢者マンションへの住替え」を提案。あわせて、“老後のあんしん生活設計”担当者も同席し、お金にかかわる部分を整理。
Tさんは「そんな考え方があるとは思わず、人生の選択肢が広がった」と笑顔で新しい生活を送れるようになりました。
そのほか、「ごみ屋敷の再生」「相続を争続にさせないハッピーエンディングに向けた準備」など、公式HPには気になる事例がずらり。ブログにはくらしや住まいに関わる、お得な情報も公開中。
新サービスが誕生「ばえる庭づくり・庭びらき・庭じまい」をまるごとサポート
オーケストライフによる複数の業者が連携して対応できる強みを活かした「ばえる庭づくり・庭びらき・庭じまい」サービス。ニーズがあるにも関わらず、提供している業者が少ないため現在人気のサービスの一つです。
「ばえる庭づくり」…たとえばこんな人に
- 庭の草花や木々をきれいにしておきたいけど、時間がない
- 高齢になってから、草むしりや樹木の伐採が大変だ
- 塀やウッドデッキ、テーブルなど庭具の塗装をしてほしい
- 地震などの災害で古い擁壁が倒壊しないか不安だ
- 1年中美しい庭を保てるように定期的に庭の手入れをプロに頼みたい
自然災害に備えた安全な住まいづくりのためには、庭づくりも重要。定期的なお手入れやメンテナンスも任せることができるから、負担も軽減されるし、何よりも安心という声が多数届いているそうです。
「庭びらき」…たとえばこんな人に
- 先祖代々受け継いできた庭園の庭石や灯篭、石臼などが、洋風の建物と合わない
- 高齢で足腰が弱り庭の草取りが大変なので、管理が楽な庭に変えたい
- 庭の用途を大幅に変え、有効活用したい
- 家の玄関付近をバリアフリー化したい
最近では、家族のライフスタイルの変化にあわせて、庭を新たに活用する方も増えているそう。例えば、庭の一部にお子さん世代の家を建築する、庭を縮小し駐車場を作る、庭など敷地の一部を分筆し売却するなどの相談が多いようです。
「庭じまい」…たとえばこんな人に
- 樹齢50年を越える木があるが、相続を機に家を売却することになった。思い入れがある木なので、どうしたらよいか
- 庭に使っていない井戸がある。リフォームするついでに井戸も埋めたいけれど、ただ埋めるだけでよいのか不安
- 敷地内にある祠や社を撤去したいが、バチが当たりそうで怖い
- 水がはられたままの池がある。夏になるとボウフラや蚊が発生して困るので、池の水を抜きたい
庭石や庭木の撤去から廃材のリノベーション、供養までを請け負ってくれるのが大きな強みです。
興味のある方は一度相談されてみてはいかがでしょうか。
地域貢献に積極的なメンバーという「顔の見える安心感」
オーケストライフがなにより安心できる理由は、紹介される業者がすべて地元に密着した企業であるという点です。「顔の見える心地よい」距離感と「必要なときにすぐ相談できる」安心感があります。
また、工務店や防犯、害虫駆除等を専門とする各メンバーは地域貢献活動にも熱心で、NPOの立ち上げやボランティア活動、子ども向け講習会やイベントなどを開催しています。「無理せず、楽しみながら」をモットーにこれからも自分のできることを地道にコツコツ、精一杯やっていきたいという想いで活動しているそうです。
清水さんは「様々な楽器の演奏家が集って美しい音色を奏でるオーケストラのように、全員が手を取り合い、それぞれが持つ技術や知識、経験といった強みを生かしていきたい。それが結果的に心豊かで安心なくらしを皆様に提供できるだけではなく、未来の明るい地域社会の実現につながると信じています」と語ってくれました。
最後にオーケストライフに集結した地元業者の皆さんをご紹介します。
一戸建て、マンション、ビルなど様々な建物の鍵のトラブル対応や防犯対策 神奈川県横浜市泉区中田南2-15-18 |
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ビルの定期的な清掃及び日常的な清掃、除草作業と不動産賃貸業 神奈川県横浜市保土ヶ谷区岩間町1-11-11 CBSビル3F |
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一般家庭、福祉施設、店舗・ビルなどの害虫・害獣予防・駆除、環境改善 神奈川県横浜市戸塚区上倉田町1827-1 |
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戸建て、集合住宅、マンション、団地、工場等の塗り替え・塗装工事 神奈川県横浜市栄区小山台1-21-20 ヒルズ小山台Ⅱ 101 |
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通信機器販売、工事、保守業務、ITコンサルティング事業など 神奈川県横浜市中区羽衣町1-3-1 太陽生命関内ビル3階・4階 |
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木造一戸建やマンション内装、水回り外回り工事など 神奈川県横浜市保土ヶ谷区坂本町314-91 |
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一般家庭から公共施設までの建築業、管工事、電気工事、損害保険代理店 本社 横浜市栄区飯島町1072-9 |
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新車・中古車販売・車検整備・一般整備・鈑金塗装修理など 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町45 |
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一般建築・リフォームや賃貸物件の退去後の室内修繕工事など 神奈川県藤沢市土棚651 ライゼH-06 |
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ハウスクリーニング、エアコンクリーニング・キッチン・水回り掃除 横浜市栄区鍛冶ヶ谷 |
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葬儀・仏壇仏具の販売業務、霊園開発、墓石・ギフト・返礼品販売など セレモホール新杉田(横浜市磯子区中原2-8-6) |
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不動産の購入、売却、賃貸、管理、空き家見回りサービス 神奈川県横浜市泉区和泉町6206番地2 |
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生前整理・遺品整理、高齢者施設へ住替時の身辺整理、庭木剪定など 神奈川県横浜市泉区和泉町6206-2-402号 |
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遺言付言事項インタビューなど取材、記事執筆 横浜市戸塚区戸塚町157フタバビル203 |
実際にコーディネートしてくれる業者の一覧にもなり、各リンクにもある公式HPのメンバー紹介欄では詳細情報も載っているので安心ですね。