<法政大学第二高校・物理部(川崎市)>「缶サット甲子園全国大会」で優勝!スペインでの世界大会に出場!

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<法政大学第二高校・物理部(川崎市)>「缶サット甲子園全国大会」で優勝!スペインでの世界大会に出場!
世界大会に向け気合いを入れる部員

空き缶サイズの模擬人工衛星「缶サット」

 法政二高物理部(顧問/上山勉教諭)が、空き缶サイズの模擬人工衛星を打ち上げ技術力を競う「缶サット甲子園全国大会」で優勝を決めた。6月26日からスペインで開催される世界大会に日本代表として出場する。

 JAXAなどが後援し、元宇宙飛行士・山崎直子さんが会長を務める缶サット甲子園。空き缶サイズの模擬人工衛星「缶サット」を上空に打ち上げ、何をどのように観測するかといったアイデアと技術力が評価ポイントになる。

人命救助をテーマに出場

 法政二高は3月12日、オンライン開催された全国大会に「災害時における人命救助」をテーマに出場。自作アプリと地図アプリを連動させ、障害物や被災者の位置を救助隊に伝えることをミッションにした。缶サット打ち上げ後、降下中に航空写真を撮影し、救助に向かう際に安全なルートを掌握。搭載するセンサーで現場の気温など環境データを入手し、必要な支援物資を予測する点など、部員33人の知恵を集結させた。審査員にも実際の現場で役立つ実践的な情報の収集と提供を目的にしたことが高く評価された。

先輩の思い背負い

 法政二高は2009年から全国大会に参加し、5度の優勝を誇る実力校。14年にも米国で開かれた世界大会へ挑んだが、機体が高度に耐えられず上空で分解してしまうなど思うような成績を残せていない。ここ数年はコロナ禍で大会が中止になっていたこともあり、5年ぶりとなる世界大会への出場に部員たちの喜びはひとしおだ。

 世界大会に出場する予定のメンバーは部長の谷口響さん(3年)と、機体設計の塩津碧威さん(同)、アプリ開発の竹村颯太さん(同)、プレゼン担当の林美聡さん(同)とサポートの山岡優斗さん(同)、土門達洋さん(2年)。役割を分担し、専門分野に秀でた個人の能力とチームワークが自慢だ。谷口部長は「これまで築き上げてきた技術力を受け継いでいる。先輩たちの思いを背負って、世界へ挑みたい」と意気込む。

英語のスピーチにも挑戦

 国内大会はオンラインだったため、リアルな大会は今回が初。基地局に向けてリアルタイムに情報を送るため、無線を導入するのも初の試みだという。救助隊を昔話の桃太郎、缶サットを偵察が得意な家来のキジに例えてプレゼンした林さんは世界大会では英語のスピーチに挑戦する。

 上山教諭は「災害が増えている今こそ必要なテーマ。日本の高校生の技術力を世界に見せたい」と話した。

住所

神奈川県川崎市中原区

公開日:2023-05-28

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