【水泳・水球指導のプロフェッショナル】加藤 健太さんの「コーチ理論」とは@川崎市高津区

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【水泳・水球指導のプロフェッショナル】加藤 健太さんの「コーチ理論」とは@川崎市高津区

指導歴8年で咲いた「大輪の花」

「カワサキ・スイミングクラブ」(高津区)に所属するメンバーで構成される水球チーム「コンバット」を率いて丸8年を迎えた2021年春。千葉県で行われたジュニアオリンピック水球競技(中学生区分)で指導にあたるチームを優勝に導いた。

「中学生・水球日本一」を決める大舞台での快挙は同クラブでは実に22年ぶり。さらに当時はコロナ禍真っ只中、満足のいく練習ができない逆境を跳ね除けた選手達に「本当に誇りに思いますよ」と最大限の敬意を払う姿が印象的だった。

2021年春、クラブとして22年ぶりに全国制覇を果たした「コンバット」(中学生区分)のメンバー(最後列中央が加藤さん)

指導の根底に「『楽』は楽しい訳じゃない」という考え方

自身も同クラブに通い、小学2年生の頃から水球の道へ進んだ加藤さん。「プールでやるドッジボールみたいなもの」との誘い文句に惹かれたが「それは嘘でしたね」と苦笑い。それでも水面下で相手選手と激しくコンタクトする事も珍しくない競技の特性に魅せられ瞬く間に上達。

「コンバット」の小学生区分で全国優勝を果たし、中学2年生時には準Vの立役者に。さらに県外の強豪高校に進学後はインターハイ等で活躍し18歳以下の日本代表選手としてアジア大会へも出場を果たすなど、国内トップレベルの選手へと上り詰めた。

「楽しむ水球」に慣れてしまった大学時代

だが、大学進学後はそれまで「何より最優先」だった水球の位置付けが下がり「いつしか『楽しむ水球』に慣れてしまいましたね」とポツリ。それでも十分、成績は残したものの「楽なのが楽しい訳じゃない」という事を痛感したのだとか。「結局(水球は)辛くても楽しいですから」と、ひとりのアスリートとして辿り着いた矜持を語る。

選手成果に終止符を打ち、指導者の道へ

大学卒業後、迎えた就職活動。一般企業も受けたが、出した結論は指導者の道だった。選手生活に終止符を打ち、通い慣れたクラブに帰ってきた。

教える立場になり、特に重視するのは人間としての成長。「まずはあいさつと敬語、マナー」。その根底には「中学生のとき水球をやってなかったら、どうなってたか分からない」という、水球そのものに対する感謝が込められている。また自身、辛さと楽しさの両面から競技を知り尽くしているからこそ、指導者としての姿勢は「柔軟そのもの」といった様子。

現役当時の人脈で、積極的に他クラブの流儀を取り入れた事もその顕れ。さらに水球のみならず、水泳競技全般における卓越したコーチング理論を持ちながら、決してそれを押し付けるのではなく、選手同士のコミュニケーションを重視。プールを離れたミーティングの時などは、あえて自らのアドバイスを控え、選手同士の自主性を大切にする姿勢を貫いた結果、冒頭で紹介したチームのメンバーは皆で意見を出し合って連係強化を図るなど着実に成長。結果、全国制覇という快挙を成し遂げた。

県内の競技レベル引き上げにも貢献

加藤さんの功績は、自クラブに留まらず各方面に波及。元々、神奈川県の高校には水球部がほぼ皆無といった状況下、競技レベルを引き上げるべく、奔走。関係者の取り計らいもあり「神奈川工業高校」(横浜市)に水球部を新設する案件を取り纏め、日本一となった自身の教え子の殆どが同校へ進学。「高校水球インターハイ制覇」に向けた礎(いしずえ)を確立した。

2021年当時、ジュニアオリンピックの大会MVPにも輝き、中学水球の世界では「カリスマ」と呼ばれた斎藤昂泰選手をはじめ、加藤さんの薫陶(くんとう)を受けた個性派揃いのメンバー達は、越境入学することなく県内の高校で水球競技に邁進。メンバーが高校2年生となった2023年3月には、この神奈川工業高校のメンバーが中心となり編成された県選抜チームが第9回全日本ジュニア(U17)水球競技選手権大会において初出場で初優勝。階段を一歩ずつ、確実に上っている。

2023年春、全日本ジュニア(U17)水球競技選手権大会において初出場で初優勝を果たした神奈川選抜のメンバー(前列・賞状を手にしているのが斎藤昂泰選手)

「コンバット」さらなる高みへ

さらにこうした先人の活躍に刺激を受けた後輩たちも活躍。2023年春に行われた「第45回全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会」(以下JO)の水球競技(小学生区分)でも「コンバット」が優勝を果たし、昨年8月に行われた「JO夏季大会」に続き、チーム史上初となる全国大会での「夏春連覇」を達成した。

全国連覇を達成したコンバット(小学生区分)のメンバー(左端が加藤さん)

加藤 健太さんの所属するカワサキスイミングクラブは会員募集中です。詳細はHPでご確認ください!

川崎のプロフェッショナルページへ

住所

神奈川県川崎市高津区宇奈根607

問い合わせ

カワサキスイミングクラブ

電話

044-811-3415

044-811-3415

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公開日:2023-05-31

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