株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(東京都豊島区)が運営する「箱根湯の花プリンスホテル」(箱根町)に、県内で初めてバイナリー発電設備が導入され、6月1日から稼働を開始した。施工者は栄鋼管(株)と(株)ゼネシス。1億円で2台を設置した。
バイナリー発電とは、加熱源により、沸点の低い媒体を沸騰させて、タービンを回す発電方法。同ホテルでは、これまで約3%しか活用しきれていなかった温泉蒸気(136度)を加熱源として、代替フロン(沸点34度)を沸騰させる。再生可能エネルギーを使った、二酸化炭素を排出しない発電が可能となる。発電した電気はエネルギーセンターへ送られ、同ホテルが使用する電力量の約20%を占めていた温水用ポンプの全ての電力量を賄う。これにより、購入する電力量を抑制し、年間の二酸化炭素排出量を63%削減することができるという。
同ホテル支配人の笹尾雅洋さんは「蒸気が豊富なので、それをエネルギーに変えられないかと考えた末、バイナリー発電に行き着いた。まずは前例を作り、自然を大切にする箱根ブランドを町全体で高めていけたら」と話した。