「歯を治療したいのだけれど、まだ子どもが小さくて一緒に歯医者さんに行きにくい」「ベビーカーや車いすで診療室に入れる歯科クリニックがなかなか見つからない」。子育て世帯やお年寄りには、そうした悩みを持つ人も少なくないそうです。そんなニーズに対応してくれる歯科が横浜市緑区十日市場町にあると聞き、「十日市場ファミリー歯科」を訪ねてみました。
JR横浜線の十日市場駅から徒歩7分。かわいいカンガルーの親子が描かれたオレンジ色の看板が見えてきました。こちらが「十日市場ファミリー歯科」です。
明るい笑顔で迎えてくれたのは、正木大介院長と歯科衛生士、歯科助手の皆さんです。
コンセプトは「家族みんなで来やすい歯科医院」
「お子さま連れでも、体に障害がある方でも来院しやすいクリニックにしたい」。そうした思いを込め、正木院長は2018年5月、十日市場ファミリー歯科をオープンしました。院内には、ベビーカーや車いすでもそのまま入って行ける広めの診療室を完備しています。
待合室にはテレビ付きのキッズスペースもあり、待ち時間に楽しいアニメを観て過ごすことができるなど、子どもたちを飽きさせない工夫も。
- さらに、診療室にあるタブレット端末を活用してキッズスペースをモニタリングできるので、親は治療中でも子どもの様子を見守ることができます。
また、院内のトイレは車いすでもそのまま入れるほどの広さがあるほか、おむつ替え用の台が併設されています。トイレの隣には親子で使えるよう高さが異なる洗面台もあります。
- 医院の隣が提携コインパーキングで、患者さんは診療時間分の無料コインをもらえます。
こちらでは十日市場ファミリー歯科の紹介動画も公開しています
「障害者歯科」での経験生かして
祖父も父も歯科医という正木院長。自身も歯科医師を志し、鶴見大学歯学部に進学しました。同大学で学んでいた頃「身体や知能、精神に障害がある患者への診療は、どのようにすれば良いのか」と考えるようになり、卒業後、歯科医師として同大学歯学部附属病院にある「障害者歯科」の医局で10年以上にわたり勤務しました。
そこでの経験から「患者一人ひとりのニーズに対応した診療」の大切さを学んだ正木院長。バリアフリー機能を備え「誰にとっても利用しやすい医院を立ち上げよう」と独立、開業を決意し、十日市場ファミリー歯科を開院したそうです。
子どもの「お口ポカン」に要注意
同院では虫歯や歯周病などの治療のほか、お口の機能(口腔機能)の改善に向けたアドバイスやトレーニングにも力を入れています。
正木院長によると、「口が無意識のうちにポカンと開いてしまう」「舌を前に突き出したり、口の周りを舐めたりする癖がある」など、お口の悪い癖があるお子さんは要注意。歯並びや健康にさまざまな悪い影響を与える場合があるそうです。
虫歯菌や歯周病菌が増殖?
例えば、口がポカンと開いてしまった状態では、口から細菌やアレルギー物質が取り込まれやすくなるため、風邪やアレルギー症状が出やすくなる恐れがあります。また、口の中が乾燥することで虫歯菌や歯周病菌が一層増殖しやすくなるのだとか。
舌を前に突き出す癖などがあると、出っ歯や歯並びの不正につながり、それに伴う構音障害(発音が上手くできない状態)や嚥下障害(上手く飲み込めない状態)などが起きることもあるそうです。
こちらの動画では、歯並びの悪さなどが子どもの健康に与える影響や、小児歯科矯正の大切さをアニメで解説しています。
- 正木院長は「お口の機能は乳幼児期、学童期の限られた時期にしか獲得できません。当院では口腔機能発達不全症の検査も保険で行っております。気になることがあれば、かかりつけ歯科医にお気軽にご相談ください」と話しています。
診療時間
- 火~金曜:午前9時30分~午後1時30分、午後3時~午後7時30分
- 土・日曜:午前9時30分~午後1時、午後2時~午後4時
- 休診:月曜、祝日