不動産の相続登記が義務化されることを知っていますか?
「民法等の一部を改正する法律」の施行に伴い、2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されます。これにより正当な理由なく期間内に手続きを行わなければ、罰則として10万円以下の過料が課せられます。また、2026年4月までに住所や氏名の変更登記も義務化され、同様に5万円以下の過料が課せられます。
でも相続手続きといっても「何から手を付ければいいか、誰に相談すればいいかもわからない…」という人も多いのでは。
そんなあなたにご紹介したいのが、地元密着・相続相談のプロフェッショナル、「司法書士髙木事務所」の髙木真治さんと髙木英恵さんです。申請にはどのようなステップを踏むか、お二人に話を伺ってみましょう。
これまでと何が変わるの?
不動産の所有者や金融機関の抵当権などが記載された「不動産登記簿」のうち、不動産の物理的状況を示す「表示登記」は以前から申請が義務づけられています。一方で今までは任意だった「権利に関する登記」のうち、相続による所有権移転登記が今回の法改正で義務化されました。
- 「不動産売買の場合は、いくら他に口約束をしてあっても、先に登記をした者が優先されます。したがって任意であったといっても、慣例として契約と共に登記申請することが当然でした。一方、被相続人(不動産などの相続財産を遺して亡くなった人のこと)の名義を引き継ぐ相続登記は、お金を支払って登記名義を取得する不動産売買とは状況が異なります。固定資産税が発生する上、登記費用もかかってしまうこともあり、登記をせずにそのままにしてしまう人も多くいました」と真治さん。
またよくある勘違いとして、固定資産税など不動産に関わる税金等も含めて市町村役場に届出をしただけでは登記名義は相続人に移りません。登記は法務局の管轄であり、別途相続登記を申請する必要があるとのこと。
「法改正の契機としては、2011年の東日本大震災の影響が大きいです。被災者の移住に伴いその土地の地権者を行政が確認すると、所有者が何代遡ってもわからないものが多くありました。結果、被災地復興に関わる公共事業が滞ってしまったという背景があります」
相続登記は時間がかかる…
また、相続登記にかかる時間も考える必要があります。
- 英恵さんは「例えば被相続人が親子の場合など、1代の場合は比較的時間はかかりません。それでも相続登記のためにはそれぞれの戸籍を取得し、相続に関する意向を確認。それを司法書士が遺産分割協議書にまとめ、登記申請を行うのに通常1カ月から2カ月かかります。それが2代遡るとなると、関係者の戸籍謄本を取り寄せるだけでも2カ月から3カ月かかることもざらです」と話します。
相続人の中で行方が分からない人がいる場合には、その不在者に代わって財産管理や目録を提出する「不在者財産管理人」の選任。また、相続人が認知症などを患っていて判断能力に不安がある場合には、当人の身上に配慮しながら財産管理などの支援を行う「成年後見人等」を選定する必要があります。
「成年後見人等の選定には早くて3~4カ月。もっと複雑なケースを扱ったこともあります。相続登記は時間がかかるんです」と英恵さん。
登記申請の期限は?
相続登記の期限は、自己のために相続開始があったことを知り、かつ所有権を取得したことを知った日または遺産分割の日から3年以内となっています。また施行日以前に発生している相続も対象となり、施行日から3年以内(2027年3月末まで)に登記申請手続をすることが義務付けられています。
住所等変更登記の期限は住所や氏名を変更した日から2年以内。こちらも施行日以前のものも対象となり、施行日から2年以内の手続が義務付けられています。
「まだ猶予はありますが、確実にやらなければならないと決まっていることは早く済ませておくと安心ですね」と真治さん。
ひとりで悩まず相談を
真治さんは香川県出身。大手百貨店の法人外商担当として勤務する傍ら司法書士試験に合格しました。「FACE TO FACE」をモットーに、サラリーマン時代の経験を生かしたコーディネート力で相談者の悩みに寄り添います。
英恵さんは小田原の法律事務所を経て独立。2人は英恵さんの生まれ育った平塚に事務所を構えて8年、地元密着で地域の悩みに応えてきました。
相続登記だけでなく、遺言、成年後見、名義変更・抵当権抹消、裁判書類作成・簡裁代理、会社・法人登記など幅広く相談を受けています(出張対応も交通費実費で可)。
「弁護士さんや税理士さん、土地家屋調査士さんなどの専門仕業の方々と連携を取りながら、総合的な法的支援に努めます。ひとりで悩まずに、まずはご相談ください」