食中毒、冊子で啓発 細菌の特性など解説
戸塚区生活衛生課はこのほど、食中毒の啓発冊子を新たに作成した。食中毒の原因となる細菌やウイルスなどの特性を解説し、注意すべき料理や事前の対策などを具体的に記したもの。冊子は区役所のウェブサイトから閲覧・ダウンロードできる。
記録的な暑さとなっている今夏、例年以上に細菌の増殖による食中毒に注意が必要だ。また夏休み中はキャンプや釣りなど、外出先での生食をする機会も多いことから、ウイルスや寄生虫にも気をつけなければならない時期でもある。
こうした状況を踏まえ生活衛生課は7月、A5サイズ、全28ページの『食中毒徹底攻略マニュアル』を作成。食中毒の原因となる細菌、ウイルス、寄生虫、自然毒を職員自らキャラクター化し、ゲームのようなデザインで紹介している。
食中毒が起こるまでの時間や具体的な症状が簡潔に記されているほか、それぞれの原因が持つ特性をグラフで表すなど工夫が施されている。その上で注意が必要な料理・食材を挙げ、加熱や冷却、小分けにするなど具体的な対策を記して、注意を呼びかけている。
自主制作動画も公開中
昨年の夏からは、啓発動画も制作。クイズ形式で食中毒の知識を学習できるものや、手洗いの検証実験など職員が撮影・編集を行った動画をYouTubeで公開している。現在、区総合庁舎内にある3カ所のモニターでも放映中。
冊子、動画どちらも区のウェブサイトから無料で閲覧できるため「学校教材や自由研究の題材としても利用してもらえれば」と担当職員は今後の展望について語る。
昨年同期比で増加
横浜市が発表した、食中毒発生状況の2023年7月末までの速報値では、発生件数が22件(昨年同期比+6件)、患者数が57人(+26人)。いずれも、昨年の7月末までの数値と比較して増加している。
担当職員は「コロナ禍を経て社会活動が活発になってきた今、改めて注意が必要」と話す。とくに、食中毒の主な発生原因であるアニサキスやカンピロバクターはそれぞれ生魚、生肉にひそんでいることが多く、季節関係なく食べる機会があるため適切な調理や保存が重要だという。「夏場はもちろん、年間通じて対策を」と呼びかける。