- 1992年に川崎市高津区で創業した株式会社アルファメディア(現在は中原区にて事業展開)。「共創と変革で人に優しい社会を目指します」を理念に、ソフトウェアやウェブシステム開発のほか、パソコン教室「富士通オープンカレッジ武蔵小杉校」の運営やパソコンサポート業務など、ITに関する様々な事業を通して社会貢献をしています。
- 今回は、サッカーJリーグチーム「川崎フロンターレ」のオフィシャルパートナーになった経緯や会社のことについて、小湊宏之代表にお話をお伺いしました!
きっかけは共同イベント開催
2020年、株式会社アルファメディアは子どもたちに「思考力を養いながら、キック技術の向上を目指してほしい」という思いから、川崎フロンターレと一緒にプログラミング言語「スクラッチ」とサッカーを掛け合わせた「スクラッチ×サッカー」を使ったイベントを実施しました。
その後、より多くの子どもたちにプログラミングを体験してもらいたい、と考え、高津区の市民提案型協働事業に応募。この企画が採択され、GIGA端末(子どもが1人1台使える学習用端末)を用いて川崎フロンターレとコラボした授業を小学校で行っています。
高津区内の小学校では「スクラッチ×サッカー」が授業に
高津区で採択された市民提案型協働事業では、高津区内の一部の小学校でプログラミングとサッカーをコラボした「スクラッチ×サッカー」が実際に授業で行われています。
初めにパソコンを使って、フロンターレの選手がデザインされたサッカーゲームのプログラミングを行い、イメージを掴んだ上で、実際に外に出て自分の体を使いながら、川崎フロンターレのコーチからボールの正しい蹴り方の指導を受けます。
その後、再びシュートの難易度が上がったプログラミングを行い、どこを改善すれば上手くいくのか、をグループで話し合いながら取り組みます。
こうしたインプット→アウトプット→インプットの繰り返しでサッカーの技術上達を目指しています。
川崎フロンターレとの取り組みは理系科目にも
川崎フロンターレと株式会社アルファメディアの取り組みは「スクラッチ×サッカー」のみならず、算数と理科の授業でも実際に使われています。
算数では、プログラミングを利用して多角形を作図し、どの角度を入力すればフロンターレのマスコット「フロン太くん」が正しく多角形の上を歩くのか?という内容のもの。理科では、等々力陸上競技場の照明を人感センサーと明暗センサーを上手に使って、省エネに挑戦しよう、というもの。
自分で手を動かしながら学習することで、より効果的に学習への意欲や理解度が高められるそうです。
「苦手意識を克服してもらえたら」
小湊代表は、スクラッチ×サッカーの取り組みから
「サッカーを論理的に考えることでスポーツが得意でない子でも苦手意識を克服し、サッカーの楽しさや魅力を感じてもらえればうれしいです。また、プログラミングの楽しさや魅力も同時に理解してもらい、将来の有望なIT人材を生み出していきたいです」
「人に優しい」がコンセプト
川崎市中原区に本社を構える株式会社アルファメディア。
電子回路設計などのハードウエアやソフトウエア開発、ITを中心としたWebシステム開発、パソコン・スマホ教室を中心とした「富士通オープンカレッジ武蔵小杉校」での授業など、「共創と変革で人に優しい社会を実現します」という理念に基づき、幅広く事業を展開しています。
学生向けの出席管理システム
同社の主力製品の一つに、大学などの学生に向けた出席管理システム「かいけつ出席」があります。この製品はICカードを端末にタッチするだけで、授業への出席を簡単に管理できるもの。エクセルでシステムを導入できるので管理もとっても簡単。
現在、およそ50の大学で導入され、管理業務の効率化や不登校学生の把握による退学予備軍のサポート、出席率と成績の因果関係の把握から授業の質向上など、学生のみならず教員の役にも立ち、教育現場の改善や質向上をITによって貢献を図っています。
簡単に、手軽に、そしてスピーディに使える利便性から、企業や病院の会議、研修向けのシステムも開発されました。2012年には「川崎ものづくりブランド」にも認定されています。
子どもの安全をITで支援するシステムも
子どもの安心、安全をITで支援するシステム開発作りにも注力しています。
外出先で子どもとはぐれてもすぐに分かるようなシステムや、車内の置き去り防止装置、見守りシステムを開発し、同社の「かいけつシリーズ 見守り─ぜったい一人にしないから─」は、横浜市デジタル統括本部・こども青少年局が主催するオンライン展示会「子ども見守り製品展示会2023」で紹介されました。
全世代に向けたパソコン教室
株式会社アルファメディアでは、富士通のオープンカレッジパートナーとして「富士通オープンカレッジ武蔵小杉校」を運営しています。シニア向けのパソコン教室から、子ども向けのプログラミング教室とクラスは多岐にわたり、充実した内容を同世代と一緒に学ぶことができます。
パソコンサポートも行っているので、自宅でパソコンを使うときも安心して学べます!
「●●×プログラミング」
子どもたちの論理的思考とプログラミング力を養ってもらうことを目的に、「サッカー×プログラミング」や「算数×プログラミング」「理科×プログラミング」といった組み合わせから、違った価値を生み出す取り組みも行っています。様々なことにプログラミングの思考を用い、新しい教育の可能性を見出しています。
これについて小湊代表は「ゲーム感覚でできることや、自分の手を動かすことで楽しんで学ぶことができます。そのため、効果的に学習への意欲や理解度を高めることができていると思います」
働きやすい環境作りも
SDGsの目標として、健康経営と女性活躍推進も掲げ、テレワークや短時間勤務、男女問わず育児休業の取得奨励や長時間労働を減らす取り組みなど、ワークライフバランスの促進に向けて取り組んでいる同社。
2022年には川崎市から「かわさきSDGsゴールドパートナー」に認証され、より働きやすい環境作りにも力が入ります。
時代のニーズに応じて「変革」を
小湊代表は今後の展望について、「“人に優しい”をコンセプトに、様々な企業・団体と“共創”しながら時代のニーズに応じて“変革”していき、さらなる飛躍を目指していきたいと思っています」と話してくれました。
数多くの事業を通じ、これからも人に優しい製品やサービスを生み出していきます。