松田町は10月から地域の持続的な公共交通体系の構築に向けAIの技術を活用したオンデマンドバス「のるーと足柄」の試験運行を始める。運営は事業実施のために設立した一般社団法人足柄オンデマンドが行う。
近年、特に人口の少ない地方都市の公共交通は、利用者の減少や事業者の人手不足などが影響し、サービスの維持が困難な状況が各地で発生している。松田町にとっても、将来的に安定的な公共交通サービスの確保は重要課題の一つ。こうした中でAIを使った予約制のオンデマンドバスの運行が持ち上がった。
オンデマンドバスは、決まった時刻表やルートがなく「利用したい人が予約した時に来る乗り合いバス」というイメージ。AIが予約状況に合わせて最適なルートを設定し、運行することで無駄を省く。また、小回りがきくワンボックスカーを使用することで、住民ニーズに合わせた乗降場を設定することも可能になった。運賃は会員・定額制で、運行にかかる財源を事前に確保でき、町としても、安定運営が可能になるという。
今後、本格運行を前提に実証運行期間で課題の整理や洗い出しを行い、松田町にあったよりよいスタイルを確立していく考え。
担当者は「交通利便性の向上は移住・定住人口の増加、観光振興、町内経済循環、交流活性化、渋滞解消、温暖化対策など様々な効果が期待できる。便利な新交通を皆さんに試してもらいたい」と話している。
今後、のるーと足柄の利用方法や予約時に便利なスマートフォンアプリの使い方に関する説明会を実施して、町内への周知を図っていく。
問い合わせは一般社団法人足柄オンデマンド【電話】0120・616・101。のるーと足柄に関する詳細は同法人ホームページ。