菅町会(濃沼健夫会長)は9月20日、JR稲田堤駅の発車メロディー(駅メロ)『丘を越えて』の音源を演奏し録音した多摩高校ギターアンサンブル部へ感謝状を贈った。同校の視聴覚教室で行われた贈呈式では、8月に全国コンクールで金賞を受賞した同部の演奏も披露された。
同駅の駅メロをめぐっては、橋上駅舎が8月6日に供用開始されるのに合わせ、作曲者の古賀政男が稲田堤の多摩川河川敷を訪れて着想を得たとされる『丘を越えて』に変更するよう、菅町会などがJR東日本へ要望し実現。同部による演奏が音源として録音された。
これを受け、同町会の濃沼会長ら役員が同校を訪問。功績を称えて感謝状と記念品を、同部を代表して犀川瑛太部長(2年)に手渡した。濃沼会長は「駅メロを聞き地元の人が心地よい気持ちで通学通勤している。感謝している」と述べ、犀川部長は「誇らしいと思っている」と返答した。
町会役員に向け部員らは8月に横浜市で開催された全国学校ギター合奏コンクールで金賞と審査員特別賞を受賞した曲『シンフォニア・タプカーラ』を披露。全国トップレベルの演奏に濃沼会長は、「金賞を受賞したすばらしい曲を聞かせていただいた」と改めて謝辞を贈った。
耳になじむよう
同部は現在、1、2年生69人で活動。駅メロの録音は2年34人が担当した。「(丘を越えては)曲名もメロディーも聞いたことがなかった。意外とアップテンポで少し難しいところもあったが、練習すれば大丈夫だと思った」と当初の印象を語る犀川部長。演奏については部員らで話し合い、「地元に住んでいる人が聞くので元気に一日頑張ろうと思ってもらえるように」と方向性を決め、 弾き方も高音がきつくならないよう柔らかく、朝から街に溶け込み耳になじむように工夫したという。犀川部長は、「毎日の生活の一部になる曲。聞いて頑張るぞという気持ちになり、帰りも地元に戻ってきて安心してもらえたらうれしい」と演奏に込めた思いを語った。顧問の高橋拓也教諭(28)は「演奏が駅メロになったことも、感謝状をいただいたことも、部員たちの良い経験になった」と話した。
部員らは目下、3月末に行われる定期演奏会に向けてコンクール曲の完成度を高め、新しい曲にもチャレンジしている。