「身の回りに相続が起きた時、まずはじめに何をしたら良いのか・・・」。多くの方々にとって相続税申告は初めての場合が多いのではないでしょうか。そんな相続の手続きに疑問や不安を持っている方に向けて、大場尚之税理士が定期的に開催しているのが「初心者向け相続セミナー」。本紙記者が実際にセミナーに参加して、レポートにまとめました。

　講師を務めるのは、鎌倉市由比ガ浜に事務所を構える大場尚之税理士。「鎌倉・湘南地域の皆様を支え続けること」をモットーとして、生まれ育った鎌倉や近隣地域を中心に、相続税の申告や事前対策など幅広いサービスを提供しています。

• 生まれ育った鎌倉をメインフィールドに、相続税に関する豊富な経験を活かしたサービスを提供。
• 税理士の免許を取得して2023年で９年目。相続に関する業務を年間10～20件取り扱っており、累計では100件を超えました。

セミナーの様子

　「相続税について事前対策する必要性を多くの方に知ってもらいたい」という想いで、数年前から積極的にセミナーを開催している大場税理士。「相続税のきほん」に焦点を当てた初心者向けから、「アパート経営に関する税」など専門分野に触れた中・上級者向けまで、内容やグレード別にさまざまなセミナーを企画しています。

　大場税理士のセミナーは、少人数制で参加無料。鎌倉市内の公共施設が主な会場で、2023年10月10日に深沢学習センターで開催されたセミナーには、相続に関心を持っている４名の方が参加しました。

　今回は、初心者向けの相続セミナー。大場税理士は冒頭で、「相続はこういうものだと思ってもらえれば」、「分からないことがあれば途中でも遠慮せずにご質問してください」と話し、和やかな雰囲気でセミナーが始まりました。

初心者向けセミナーの主な講義内容

• 相続税とは
• 法定相続人とは
• 家族構成を事例にした相続税の計算方法
• 相続税減額効果の高い代表的事例
• 円満相続のポイント
• 遺言書とは

　セミナーは「相続税のきほん」と記されたカラー刷りの資料をもとに進んでいきます。上記の項目だけを読むと一見難しいようにも感じますが、相続税の計算式や相続順位、特例の適用などが家族構成に照らし合わせながら解説されており、身近な事象として捉えることができます。

• 本紙記者が学んだのは、「所有する財産を、誰がいつどのように受け取るのか。さらに法定相続人の数によって納める税金が変わってくる」ということ。
• 記者自身30代で、相続に関わった経験がありませんが、自分の家族構成に置き換えて理解することができました。「相続を１から学びたい」と思っている若い世代にも、基本を習得する入口としてオススメのセミナーです。

生前にいかに対策をしておくか！

画像はイメージです

　セミナーを終えて、大場税理士の「税金について考えるのは一番最後。まずは良い相続になることを考えていきましょう」という言葉が印象的でした。「税理士として税金をいかに安くするか」をこれまで使命にしてきたという大場税理士。しかし相続に長年携わる中で、「税金は物事の終わりにすぎず、お尻の部分から考えてしまうと不格好になりがち。ご本人の意思を反映させるためにも、元気なうちから相続人全員での話し合いと意思の確認が重要です」と参加者に伝えていました。

　また相続税の申告と納税期限は10カ月。被相続人が死亡した翌日から10カ月以内に、戸籍謄本や金融資産の残高証明書といった必要書類を集めなくてはなりません。大場税理士は、「四十九日までは慌しく、相続の手続きを本格的に始められるのはそれ以降になるケースが多いです。だからこそ生前にいかに対策を講じておくかが良い相続になるポイントです」と呼びかけています。

受講者の声

画像はイメージです

• 最近、夫婦で相続を考えるようになり、基本的なところから勉強したいと思い、今回初めて相続セミナーに参加しました。とても見やすい資料で家族構成を事例にした解説が分かりやすかったです。家に帰ってからは、夫だけでなく家族とともに、生前にできることを話し合います。（70代女性）
• 「こんなこともやっていなかったのか！」と息子に思われないように、相続については元気な今のうちから考えています。ファイナンシャルプランナーをしていた経験がありますが、相続セミナーに改めて参加してみると、制度や仕組みが昔と変わっている点にも気づきます。できることから始めたいですね。（70代男性）