小田原の街並みや箱根の道路がリアルに描かれている自動車レース漫画「MFゴースト」がアニメ化され、10月から放送がスタートした。市は若者文化を取り入れた地域活性策の一つとしてタイアップ企画を開始し、市内外への波及効果に期待を寄せている。
「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の同作は公道での自動車レースバトルを軸に物語が構成されており、舞台は近未来の県西地域。2017年の連載開始時から小田原の街並みなどが登場していたことから、市はアニメ化が発表された今春、同誌に企画を提案しタイアップが実現した。
9月末から小田原駅周辺で始まったのは、バナーフラッグ掲出とデザインマンホール蓋の設置。アニメをPRするバナーフラッグはお城通りなどに掲げられ、マンホール蓋は1週間に1基ずつ設置され、10月23日(月)には最後となる5基目を設置し、当日に市HPなどで場所とデザインを発表する。タイアップ企画は来年3月末まで実施される予定。
若者文化でPR拡散
アニメ放送と企画がスタートして以来、アニメ関係者や作品のファンが市内を訪れ、マンホール写真をSNSに投稿。それを見た別のファンが『これは絶対に行きたい』といった返信をするなど、反応は上々だ。
市はこれまでeスポーツ(ゲームを使った対戦競技)を活用した観光施策を展開。市観光課の担当者は「今回のタイアップも今まで小田原に関心が向いていなかった層にPRできている。若者文化を活用して多くの人にまちの良さに触れてもらい、観光効果へつなげていきたい」と話す。
原作では「だるま料理店」「漁港の駅 TOTOCO小田原」など実際の店舗も描かれており、それらがアニメでも採用されるか、小田原市民ならではの楽しめる要素もある。市では新たなタイアップ企画も検討しており、若者文化を活用した施策が進められていく。アニメ情報は公式サイト(https://mfg-anime.com/)で確認できる。