ここは遊びと発見の森。認定こども園・はやし幼稚園を探検してみた【厚木市】

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ここは遊びと発見の森。認定こども園・はやし幼稚園を探検してみた【厚木市】

広い縁側と軒下 建物の隙間も遊び場に

  厚木市林にある「はやし幼稚園」はその名のとおり園内に雑木林が広がっている。子供が毎日自然に触れながら育つ、市内でも珍しい保育環境を取材させてもらった。まずはセキュリティのしっかりしたドアを開けてみると、天井の高い平屋風で大きな「家」のような建物が連なっている。建物をつなぐ広い縁側がどこまでも続くようなオープンスペースが印象的で、室内は天井が高く採光にこだわり、木のぬくもりが心地いい。

やりたいことを、とことん。先生が全力で応援

 登園時間から園内には、にぎやかな声が響く。室内にある棚などはどれも可動式だから、子どもたちの遊びに合わせて自由自在にアレンジ、お家になったりお店になっていた。ブロックやお絵描き、空き箱を利用しての工作等、モノづくりも人気のようだ。粘土遊びは、時には皆で思いっきり楽しむ日もある。用意する粘土の量は何と布団サイズ。砂遊びもやり始めたらとことん楽しむ。思い返せば「〇〇先生が埋まったよね・・」。お絵描き用の絵の具をバケツ一杯使う日もある。もちろん好きなところに好きなだけ描いて、身体に塗って自分がカラフルな作品になる子も続出。後片付けも大変そうだが、先生たちは「子どもが発信した『やりたいこと』は全力で受け止めます」といつもニコニコ顔だ。

 建物の裏は小路のようで、街の景色が広がっていた。建物と建物の間や、背の高い櫓(やぐら)から、続々と駆け出してくる子供たち。これはもう、敷地全体が秘密基地だ。

園の中に広がる森

 園内を歩けば分かるが、敷地が奥にどんどん広がっていくような造りだ。子どもたちの後を追っていくと、そこには市内を見渡す遠景と、ここが住宅街とは思えない貴重な森が広がっていた。地面には様々などんぐりが落ちており、これが工作の材料にもってこいだとか。大型アスレチックやブランコは、年少園児や年中園児にとっては魅力的な挑戦の連続といえる。

 敷地が広いだけに、職員間の連携プレーで一人ひとりの動きを把握している。アスレチックの背後で見守る先生は「声かけのタイミングに気を配ります。危ない危ないと踏み込みすぎ、大人が子どもの視界に入らないように。子どもの世界がありますから」。土がむき出しの坂に立ち向かう園児たちと先生の姿もあった。熊や鹿の気分で四つんばいになり、よいしょと駆け上がる。こんなワイルドな毎日を送る君たちは、どんな小学生になるんだろう。

 園内を歩くと亀やチャボ、ヤギなどの様々な動物に出会える。中でも人気者は、羊のふわちゃんだ。獣医師による毛刈りも年に1度の恒例行事で、子どもは横たわる羊の瞳に見入り、「がんばれ」と励まし、刈りたての羊毛を嗅いだり、手に取ってその重さに驚いたり。これは貴重な経験だ。

 動物たちと接するうちに、子どもたちは餌作りや小屋掃除などのお世話に気づくようになる。まずは「やりたい」という子が手を挙げ、お世話をやってみるが、やってみると少人数では大変…。そこでクラスでの話し合いになり、なぜお世話が必要なのかを考える。先生は「やらせる」ことは決してしない。グループや輪番は自分たちで決めてゆく。

ランチタイムも自主的に

 「きょうのお昼どうする?」 はやし幼稚園は、食事の場所も子どもたちの考え次第だ。この日はホールで大きな輪になる集団とシートを広げて座る派に分かれた。そんな子どもたちを先生たちが少し離れた背後から見守り、困っている子はいないか、常に目配り。時おり「こうしたらいいかもよ?」と声をかける。頻繁にメモを取っているのも印象的。職員間の連携や保護者との情報共有が欠かせないという。

ごっこ遊びから、物語をつむぐ

 ホールでは年長園児が「世界でひとつしかない物語」を作る真っ最中だった。最初はごっこ遊びから始め、カミナリや猿といった登場キャラクターが増えてゆく。全身を使った表現を子どもたちが考え合い、物語として創り上げてゆく。

決められた脚本はなく、練習という雰囲気もなく、身振り手振りやセリフなども、すべて即興から生まれているようだった。しかも「やりたい」がぶつかるわけでもなく、うまく折り合いがつくのが面白い。

 力を全部出し切って、ちょっと眠気がさす午後、「さよならあんころもち、またきなこ~♪」と、わらべ歌が聞こえた。帰宅のバスが来る前に、年少園児と年長園児が輪になっている。これは「姉妹級」といった縦割りの交流の一環で、わらべ歌を教えてあげる・教えられる、貴重な交流の時間だ。

別の部屋では読み聞かせの時間。本の世界に入り込む子供たちがいた。園内にはあちこちに本棚があり、気軽に手にとれるようにしている。取材時期はちょうどドングリの季節で、さりげなく「木の実の本」が置いてあった。2階には本がぎっしりと並ぶ絵本コーナーもあり、こちらは貸し出しもOK。毎週末、子どもたちは1冊本を借りて帰る。「絵本は親子の時間をつくるきっかけになる。土日に家で読んでほしいですね」と先生。

預かり保育「アイアイ」

 はやし幼稚園は「認定こども園」で、朝7時半から午後6時半(午後7時閉所)まで預かり保育も受け付けている。急な用事ができたり、仕事の都合など、大人には大人の予想外があるわけで、ありがたい態勢だ。室内は午前よりもゆったりとした雰囲気で、年少・年中、年長と様々な年齢の子が一緒に遊んだり、自宅でくつろぐようにゆったりと、思い思いに過ごしている。「どの子も体力を使った後ですから。疲れもあるので安全第一です。気持ちが崩れやすい時間でもあるので、それぞれの子の気持ちを受け止める事を大切にしています」

「やりたい」の引き出しが増えてゆく

 先生たちと子どもの会話に耳をすますと、よく「自分でやりたい?」や「手伝おうか」と聞こえる。涙ぐむ子には同じ目線になって「おはなしきこうか」。子どもの伝えたいこと、やりたいことを尊重することが園の根本にあるらしい。保護者の思いも似ていて「やらせるんじゃなく、やりたい、の引き出しを増やしてくれる」「初めて見学した時、どの子も表情が生き生きしていて声が嬉しそうだった」。

ある先生に日々のやりがいを聞いた。「子どもたちには挑戦してほしいんですよね。だから毎日、子どもと一緒に落ち込んだり笑ったり、涙も出ますよ」。いろいろなことを受け止める、先生たちの体力と懐の広さに感動した。お迎えの時間なのに、どの親子もなかなか帰らない。毎日が園庭開放なので、帰る前に園庭でひとあそびしているそうだ。「きょう幼稚園でね」…お話の種がありすぎる。

住所

神奈川県厚木市林2丁目13−41

問い合わせ

認定こども園  はやし幼稚園

電話

046-223-0710

046-223-0710

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公開日:2023-11-10

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