小田原市観光協会が12月1日、訪日外国人旅行者を対象とした新企画「城主体験プラン」を初めて実施した。観光庁がインバウンドの本格的な回復を目的に公募した「観光再始動事業」の採択事業の企画のひとつ。
同協会の採択事業名は「関東一の城下町小田原での城主体験 美食と癒しの旅」。富裕層を想定した高付加価値のプランを、同協会と近畿日本ツーリスト(株)横浜支店が連携して展開する。
第1回目の参加者はフランス、ベルギー、カナダからの4人の男性。市観光交流センターで甲冑に着替えると、お供の武者を従えて登城。天守閣に向かう途中では、馬出門で「ご城主様ご着陣、開門」の声で門扉が開けられたり、銅門前で和楽器の生演奏や忍者ショーが繰り広げられたりと、特別な演出が施された。
その後、今回は風祭の飲食店「大清水」に専用車で移動し、箱根芸者のもてなしを受けながら会席ディナーを味わった。
体験を終えた30代のフランス人男性は、「城主になれる機会はとても新鮮。和楽器演奏や忍者ショー、芸者との会席ディナーも素晴らしかった。すべてが完璧でした」と喜んでいた。
同協会でインバウンドを担当する朝尾直也さんは「見る、体験するだけでなく、地元の人と会話などで交流したいというニーズもあることがわかった。今後に生かしていきたい」と語った。
同事業でほかに、江之浦測候所で禅を体験する「リトリートプラン」、旧松本剛吉別邸で相模湾の鮮魚などを堪能する「美食プラン」がある。